The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

術後遠隔

ポスター発表(I-P03-4)
術後遠隔1

Thu. Jul 6, 2023 1:30 PM - 2:20 PM ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:中西 啓介(順天堂大学心臓血管外科)

[I-P03-4-07] ファロー四徴症修復術後の治療再介入時期を肺動脈弁輪温存は遅らせることができるのか?

小林 弘信1, 東 浩二1, 藤井 隆1, 水野 雄太1, 山形 知慧1, 奥主 健太郎1,2, 石井 徹子1, 中島 弘道1, 青墳 裕之1 (1.千葉県こども病院 循環器内科, 2.千葉大学大学院医学研究院 小児病態学)

Keywords:ファロー四徴症, 遠隔期, 肺動脈弁逆流

【背景】ファロー四徴症修復術後 (rTOF)では、いかに右室機能を温存するかが重要であり、生涯を見据えた遠隔期治療戦略を練る必要がある。右室機能不全の主因とされる肺動脈弁逆流 (PR)を避けるため肺動脈弁輪温存が望ましいとされている。【目的】rTOFの中期遠隔期時点でのPRの程度および右室機能不全に関する術式による違いを明らかにする。【方法】2017 年1月から2022 年12 月に心臓MRI を施行したrTOF38 例中、Rastelli術5 例を除いた33 例を対象。弁輪温存群 (NT群、12 例)と弁輪越えパッチ群 (T群、21 例)に分類、Gevaらが提唱する治療再介入検討項目である肺動脈弁逆流率 (PRF)、右室拡張末期容積係数 (RVEDVi)、右室収縮末期容積係数 (RVESVi)、右室駆出分画 (RVEF)、左室駆出分画 (LVEF)、右室拡張末期容積/左室拡張末期容積比 (RVEDV/LVEDV ratio)、QRS幅を後方視的に検討した。MRIはEX-HDX 1.5T (GE)で撮像、AW VolumeShare 2 で解析した。【結果】NT群とT群の修復術時年齢 (1.7 vs 1.9歳)、術後年数 (12.5 vs 13.6年)で有意差はなかった。PRFはNT 群に比しT 群で有意に高かった (22.3±18.6% vs 38.1±15.1%, p=0.04)。一方、RVEDVi、RVESVi、RVEF、LVEF、RVEDV/LVEDV ratio、QRS 幅はいずれも2群間で有意差なく、治療再介入検討症例数もNT群4 例 (33%)、T群8 例 (38%)で有意差はなかった (p=0.54)。【結語】中期遠隔期rTOFのPRは弁輪温存群の方が弁輪越えパッチ群に比べ軽度だったが、右室機能不全は術式による違いはなかった。右室機能不全を来す原因はPRによる右室容量負荷以外の因子もあると考えられる。