[I-SY03-04] 小児肺高血圧症の診療と研究に関わる立場から
キーワード:突然死, 肺高血圧症, 小児
肺高血圧症はその病態と成因から複雑に分類されている。小児循環器医が関わることが圧倒的に多いのは「先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症(Group 1.4.4 pulmonary arterial hypertension associated with congenital heart disease)」であるが、特発性/遺伝性肺動脈性肺高血圧症(Group 1.1, 1.2: Idiopathic/Heritable pulmonary arterial hypertension)や、膠原病に伴う肺高血圧症(Group 1.4.1 PAH associated with connective tissue disease)などへの対応も求められることがある。いずれのタイプの肺高血圧症においても、周術期や心臓カテーテル検査、運動などを契機に肺高血圧クライシスや喀血が生じ、突然死が引き起こされる危険性がある。 本発表では、混合性結合組織病のフォロー中に肺高血圧クライシスから心停止をきたし、PCPSによって救命できた小児例、先天性心疾患術後に残存した肺高血圧症による心停止例などの自験例、演者が小児肺高血圧症における遺伝学的検討および病理学的検討を行う中で関わってきた心停止例などを示す。最後に文献的考察を加え、小児肺高血圧症における突然死予防について考えてみたい。