[II-CSY5-03] Static BASの道のり
Keywords:経皮的心房中隔欠損作成術, Static BAS, Raskind法
2024年の診療報酬改定において未収載医療技術として経皮的心房中隔欠損作成術 スタティック法を提案させていただいた。10年前に全国調査を行ったうえで提案したが、門前払いとなった技術であるが、時代の風は吹いていると考え、捲土重来を期した。この間の経緯について述べたい。Static BASは2000年頃から施行され、各種ガイドラインにも記載された公知の医療技術と考え、2013年に公知申請を行った。しかし、この手技に用いるとして申請したバルーンはいずれも適用外使用であるとの理由で顧みられることはなかった・これを教訓に演者らはこの手技料への適用取得を念頭に企業との協力のもと、TMP-PEDバルーンを開発した。しかし、行政の壁は厚く、弁形成の適用取得が精一杯であった。以後、行政へのアプローチ方法がなかなか見つからず経過したが、2019年に始まった各種心房中隔形成術用バルーンの自主回収、販売終了にともない、各方面から行政への働きかけを行った。この手技に適用を有する機器がなくなること、およびこのことが実臨床におよぼす影響を強力に説明したことで、行政のスイッチが入った。この間の行政の動きは演者がいまだかつて経験しないものであった。何とか適用を有する機器が0という事態は回避しえたが、このバルーンを開発した最大の理由である、Static BASの手技料については棚上げされた。心房間交通を拡大するという効果については類似するものの、対象、手技、リスクなどはRashkind法と大きくことなり、本来的に別枠の手技料とするのが望ましいものと考えている。