[II-OR15-02] 児の成長に応じたEXCORのpump設定とsize up
キーワード:EXCOR, pump size up, CI
【緒言】本邦では心臓移植件数が少ないためEXCOR®での長期待機が余儀なくされている。長期補助となるため、患児の成長・発達に伴うpump設定の調節や適切なタイミングでのsize upが重要である。【方針】体重・胸部X線・エコー所見・BNPなどの推移を加味しながら、①fillingに余裕があればpump rateをup、②可能な限りCardiac index(CI)を3.0/m2以上に維持、を心掛けている。【対象】当院にて2016年11月より現在までにEXCOR®を装着した9例(装着時平均年齢3.1歳:月齢2ヶ月-8歳、平均体重9.6kg:4.1kg-16.5kg)を対象。平均補助日数:676日(83日~1326日)。DCM3例、LVNC2例、心筋炎後心筋症1例、CHD3例(cAVSD心内修復術後1例、Fontan術後心不全1例、VSD術後心不全)。装着時pump sizeは10ml:3例、15ml:3例、25ml:3例。予後は移植3例、離脱1例、死亡1例、補助継続中4例。【結果】離脱した1例を除く例8中6例は、経時的にpump rateを調節し良好な成長・発達が得られた。3例は体重増加を考慮しpump size upを行った。症例④は25mlから30ml、症例⑤は10mlから15ml、さらには25ml、症例⑥は15mlから25mlへそれぞれsize upした。結果的にpump rateを上げられなかった2症例は、重度のARを認め大動脈閉鎖術が必要となった例と、重度の右心不全であった。【考察・結語】EXCOR装着後、pump size upも考慮しながら適切なCIを担保することで、成長・発達を促し可能な限り健常児に近い生活を実現できる。設定変更には右心機能や大動脈弁開放の有無、ARも考慮する必要がある。