[II-OR16-03] Amplatzer Duct Occluder-IIの留置後形態変化の検討
キーワード:動脈管開存, Amplatzer Duct Occluder-II, 継時的変化
【背景】2019年,本法に導入されたAmplatzer Duct Occluder (ADO)-IIは従来のADO-Iに比べ柔軟かつロープロファイルである.我々は2020年に3例のADO-IIディスクが減厚したことを報告した.【目的】ADO-IIの留置後変化を明らかとし,デバイス選択の一助とする.【対象】2019年5月から2023年1月に当院で留置したADOⅡ12例.【方法】留置翌日,1か月後,3か月以降にX線単純写真側面像で計測したADO-IIの肺動脈側(PA)ディスク厚,大動脈側(AO)ディスク厚,ウエスト長の変化を比較,ウエスト径は経時的変化に加え留置前造影の対管状部中央径比を算出した.値は最小-最大(中央値)で示し群間比較はFisher検定で<0.05を有意とした.【結果】年齢0.2-22(5.9)歳、体重5.8-77(18.3)㎏.動脈管の形態はA型2例,D型7例,E型3例で,最小径は0.8-4.5(1.5)mm,中央径2.0-5.1(3.5)mm,長さは6-14(10)mmであった.留置ADO-IIは3/6が1例,4/4が1例,5/4が1例,5/6が4例,6/4が1例,6/6が4例であった.留置ADO-IIのPAディスク厚,AOディスク厚は翌日が1.4-4.1(3.0)mm,1.9-7.1(3.7)mm,1ヵ月後が1.5-3.1(2.5)mm,1.4-7.2(3.0)mm,3ヵ月以降が1.1-2.1(1.8)mm,1.3-3.3(1.4)mmで減少していた(p=0.02, p=0.04).ウエスト径,ウエスト長は翌日が1.8-6.0(4.0)mm,3.3-6.6(5.2)mm,1ヵ月後が2.5-6.0(4.1)mm,4.9-6.1(5.4)mm,3ヵ月以降が2.9-5.3(5.0)mm,2.8-6.0(5.2)mmで,ウエスト径/動脈管中央部径は翌日0.5-2.0(1.3),1ヵ月後0.7-1.7(1.3),3ヵ月以降0.8-1.7(1.3)で有意差はなかった.【考察】ディスク厚は留置後3ヵ月でPA,AO側いずれも扁平化した.ウエスト径,長は翌日以降の変化は乏しく留置後形態を維持する.【結語】ADO-II留置時は遠隔期にディスクが扁平化し,ウエストには変化がないことに留意すべきである.