[II-P06-2-06] 大動脈離断/心室中隔欠損症の術後遠隔期の検討
Keywords:大動脈離断, 左室流出路狭窄, 先天性心疾患
【背景】大動脈離断/心室中隔欠損ではarch repairによる2心室修復術後に左室流出路狭窄(LVOTS)をきたす例がある。当院では体重(kg)+1mm(二尖弁の場合は+2mm)以下の AoV弁輪径、体重(kg)+1mm以下のLVOT径を、術後LVOTS発症の危険因子としNorwoodを選択した症例もあるが、2013年以降は全例初回Arch repair+VSD closureを行うことにしている。【目的】当院のIAA/VSD術後、遠隔期成績を後方指摘に検討した。【結果】2008年から2022年に当院で治療を行なった34例(観察期間中央値8.1年)。内訳は(A)危険因子のない23例。(B)危険因子のあるArch repair+VSD closureを行なった(うち2例は同時にSAS resection施行)7例。(C)危険因子のため2心室修復困難と判断し、Norwood/Yasuiを選択した4例。なお、Arch repair/Norwood術式選択前にPABを先行した症例は10例(29%)だった。(C)のうち2例を失ったが、他の症例は生存。術後LVOTSに対する再手術は(A)1例(4%);SAS resection, (B)3例(43%),2;SAS resection、1;DKS+BTS take donw→Yasuiと、再介入率は(B)の方が高かった。(P=0.03)。なお、PABを先行した10例についてはAoV中央値4.4→5.3mm、LVOT中央値3.8→4.3mmと拡大を認めるが、(AoV-BW)中央値1.7→1.3, (LVOT-BW)中央値1.1→1.1と有意な変化は認めなかった。 【考察】当院の危険因子の基準は妥当な結果だった。一方、危険因子をもつ症例でも、Yasuiにconvertせざるを得なかった症例は1例のみだった。いずれRVOTRを要すYasuiとmild LVOTSを抱えるArch repairのどちらの選択が良いかは今後の検討課題である。