[II-P07-2-01] フォンタン心外導管穿刺で肺静脈ステント留置を施行した鋳型気管支炎の一例
Keywords:Fontan, plastic bronchitis, ステント
【はじめに】鋳型気管支炎(PB)は、Fontan手術後の重篤な合併症である。治療法にはフォンタンの血行動態改善、抗炎症療法、気道閉塞・狭窄の解除がある。心外導管フォンタン手術後の肺静脈狭窄を主因とするPBで、経静脈的導管穿刺による肺静脈ステント留置術を施行した4歳女児を報告する。【症例】4才女児。無脾症候群、単心房、単心室。2才時に心外導管によるfenestrated Fontan施行。23ヶ月後にPB発症。肺静脈狭窄に対する経皮的バルーン血管形成術や外科的狭窄解術に難渋し、PBは改善得られず。fenestrationの位置が高く、fenestration経由では肺静脈にアクセス困難であり,心外導管穿刺による右肺静脈へのステント留置術を行うこととした。導管と心房の同時造影、肺動脈造影で肺静脈の位置確認を行い、穿刺部位を決定した。ブロッケンブロー針で導管穿刺を行い、Stering 6mmで拡張。その後6Fr ガイディングシース2本を挿入し、右上肺静脈にVascular Express LD 8mm×17mm、右下肺静脈にVascular Express LD 7mm×17mmの留置を同時に留置した。テント留置後、咳、喘鳴、息切れの改善と鋳型痰形成の有意な減少を認めた。【考察】心外導管穿刺で肺静脈ステント留置を行いPBが改善した4歳女児例である。本症例では,内科的治療 (抗心不全療法 / 肺高血圧治療)、体肺側副血行路の塞栓、外科的および経皮的PVバルーン拡大術を行ったが、PBは繰り返し再燃した。右肺静脈狭窄は残存しており、経皮的肺静脈ステント留置術を行った。フォンタン心外導管穿刺はカテーテルアブレーション、経皮的fenestration作成などの報告があり、今回肺静脈へのインターベンションに際しても非常に有効であった。