The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

家族支援・在宅支援

ポスター発表(II-P07-5)
家族支援・在宅支援

Fri. Jul 7, 2023 2:50 PM - 3:50 PM ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:水野 芳子(東京情報大学 看護学部)

[II-P07-5-07] 胎児診断され家族が児を受容できなった21トリソミー、ファロー四徴、房室中隔欠損の2例

満下 紀恵1, 渋谷 茜1, 新居 正基1, 田中 靖彦1, 河村 隆一2, 浅沼 賀洋3, 中野 玲二3 (1.静岡県立こども病院 循環器科, 2.静岡県立こども病院 産科, 3.静岡県立こども病院 新生児科)

Keywords:胎児診断, 治療拒否, 家族支援

【はじめに】先天性心疾患をもつ胎児は、染色体異常など他疾患を合併することも多く、複数の病院の多科医師や多職種が関わることが多い。胎児期に消化管疾患心疾患の診断で21トリソミーが疑われ両親が児を受容できなかった2例を報告する。【症例1】30週で肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損、房室中隔欠損、十二指腸閉鎖の診断で21トリソミーが疑われた。母親の拒絶が強く出産後も面会はなく養育を拒否。新生児科医からの養育と治療承諾は別であるという説明で治療は承諾され、消化管手術、BTシャント術を経て6ヶ月で心内修復術を施行。児童相談所介入し医療型障がい児入所施設へ入所。1歳6ヶ月から里親により養育。【症例2】34週に十二指腸閉鎖を指摘、35週で4施設目の当院受診。房室中隔欠損、ファロー四徴、十二指腸閉鎖の診断で、はじめて21トリソミーが疑われた。両親とも混乱し治療を拒否したが当院での出産は希望。生後チアノーゼで気管内挿管。生後の医師からの説明後も手術希望されず。関係科で検討し新生児期の心臓手術は親権停止してまでは勧めない方針。状態改善したが、両親は依然受容困難で看取り前提での面会。MSWの介入により両親同意のもと親権は児相に一時預かりとなり生後1ヶ月消化管手術施行。栄養もすすみ体重も増加していたが日齢70頃からチアノーゼ悪化。心臓手術は状態改善する可能性はあるが親権停止してまで手術を勧めるべきではないとの方針となり、児相と両親へ循環器科から治療の可能性とリスクを説明したが意志決定なく日齢108に死亡。【まとめ】染色体異常があり受容ができない親への対応は産科新生児科が主となり小児循環器科医は疾患の治療予後説明を担った。家族毎に状況は異なり家族支援におけるキーパーソンはそれぞれ異なっていた。窓口を絞る場合も必要であったが、統一した見解のもと、多職種多領域でかかわり家族の支援を行うことが望ましい。