[II-P08-2-01] iED infini coilは何mmの太さAortopulmonary collateralsを何mm塞栓出来るか?
キーワード:coil embolization, iED infini coil, aortopulmonary collaterals
[背景] Aortopulmonary collaterals(APCs)のコイル塞栓術では再疎通の観点からは隙間なく積み上げるように留置した方が良いが、医療経済的には多数のコイルを使用することが問題になる。ストレートコイルと呼ばれるiED infiniコイルは30cm、50cmと長いサイズが存在し、隙間なく積み上げる際にコイル本数の節約になる。しかしカタログ記載の使用参考径が4-8、5-12mmと太く、どれくらいの血管径のAPCsでどのくらいの長さを塞栓出来るかのデータは存在しない。[目的]iEDコイルの塞栓出来る血管径と長さの関係を検討すること。[方法] 2021年3月から2023年2月までの間に当院で施行したiEDコイルを用いたAPCs塞栓術をカテーテル検査記録を用いて後方視的に検討。血管の長さは血管造影の画像の正面と側面を両方測定し、より長いものを採用した。[結果]対象期間中に7症例の14本の血管に対してcoil embolizationを施行。使用したcoilは(1)Complex infini 0.012inch 10cm 8本, (2)Complex infini 0.012inch 20cm 8本, (3)infini 0.014inch 30cm 21本, (4)infini 0.014inch 50cm 11本であった。塞栓された血管は内胸動脈 5、外側胸動脈2、甲状頸動脈 2、肋頸動脈 2、肋間動脈 3本、施行時の月齢は22-167か月(中央値34)、体重9.5-19.5 kg(中央値 13.4)であった。APCsの血管径(mm)を(ⅰ)1.0未満、(ⅱ)1.0-1.5、(ⅲ)1.5-2.0、(ⅳ)2.0-2.5、(ⅴ)2.5-3.0、(ⅵ)3.0-3.5、(ⅶ)3.5-4.0に分けると、塞栓出来た長さ(mm)は(1)-(ⅰ)10.7-18.7、(1)-(ⅱ)7.3-13.5、(1)-(ⅲ)5.7-6.9、(2)-(ⅱ)13.7-22.9、(2)-(ⅲ)17.6-18.8、(3)-(ⅱ)30.7-32.2、(3)-(ⅲ)13.1-33.9(中央値 20.7)、(3)-(ⅳ)14.0-20.7、(3)-(ⅴ)9.2-18.5、(3)-(ⅵ)7.6-12.3、(4)-(ⅲ)47.5、(4)-(ⅳ)18.2-31.0、(4)-(ⅴ)15.5-16.6、(4)-(ⅶ)9.2-9.5であった。[結語]iED infiniコイルはカタログ記載の使用参考径より細いAPCsに使用可能で従来のコイルより長い距離の塞栓が可能であった。