The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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会長要望パネルディスカッション

会長要望パネルディスカッション3(II-PPD3)
Trisomy 13・18の小児循環器診療を考える

Fri. Jul 7, 2023 10:30 AM - 12:00 PM 第2会場 (G4)

座長:根本 慎太郎(大阪医科薬科大学医学部 胸部外科), 座長:増谷 聡(埼玉医科大学総合医療センター小児科)

[II-PPD3-01] 心内修復を行う施設の考え方 ICU stayのデータも

岸 勘太1, 根本 慎太郎2, 蘆田 温子1, 尾崎 智康1, 鈴木 晶代2, 小西 隼人2, 宮田 郁3, 峰 研治4, 内山 敬達5, 芦田 明1 (1.大阪医科薬科大学病院 小児科, 2.大阪医科薬科大学病院 小児心臓血管外科, 3.大阪医科薬科大学病院 看護部, 4.関西医科大学附属病院 小児科, 5.社会医療法人愛仁会高槻病院 小児科)

Keywords:18トリソミー, 心内修復術, 心臓手術

【背景】18トリソミー(T18)に対して心臓手術を行うことで予後が改善することが判明し、心臓手術を行う施設が増えつつあるが、心内修復術(ICR)を行う施設は少ない。当院では2008年度から、T18に対して、児の状態に応じ、ご家族の意向に沿ってICRを含めた心臓手術介入を行ってきた。また意思決定に際し、必要に応じ術前にリエゾン精神カウンセリングを提供している。【目的】当院におけるT18に対するICRに関する経験を後方視的に調査し、その情報を共有すること。【方法】2009年11月から2022年12月までに当院でICRを行ったT18の症例を対象とし、後方視的に調査した。【結果】32例(VSD:30例、CoA complex:1例、TOF:1例)に対してICRを行った。うち27例で肺動脈絞扼術(PAB)を先行。ICR前の特徴として、PABに関連する右室肥大を伴う拡張障害とPAB後も続く肺循環障害を認めた。食道閉鎖合併:2例。極低出生体重児:8例、超低出生体重児:2例。ICR時月齢:平均17か月(4~45)、ICR時体重:平均6kg(2~10)。ICR前の気管切開:12例、術後に気管切開が必要になった症例:4例。2例で周術期死亡、原因はARDSと敗血症。術後合併症は、徐脈性不整脈:10例、うち1例でぺースメーカー植え込み術を施行。頻脈性不整脈:8例、LOSに伴う重度肝障害:10例、平均入院日数:40日(14~129)、平均ICU滞在日数:13日(2~60)。肝芽腫を5例に認め、全例に治療を施行。遠隔期死亡:3例、5年生存率:82.8%。【考察】術後合併症が多く、ICU滞在期間が長い傾向にあった。心内修復術により長期予後は改善したが、周術期死亡・遠隔期死亡を認めた。【結論】T18においても、個々の症例に応じた対応が必要である。心臓手術を行わない選択も受け入れられる現況では、治療方針は家族の意思決定に委ねられる。ICRの決定には、患児家族と医療提供側の実臨床の情報提供と丁寧なカウンセリングの介在が必要と考えられた。