[II-SY04-05] TPVI後の外科介入はどうあるべきか?
Keywords:肺動脈弁治療, 外科治療, カテーテル治療
(はじめに)心不全の生命予後に関しては、悪性腫瘍より低いことが判明し、近年多くの診断や治療の報告がなされている。しかしながら右心機能に関しては急性の症状の出現が乏しいこともあり、十分に評価されていないのが実情である。先天性心疾患患者の長期生存が得られている現在、右室機能の維持と右室流出路の管理はますます重要性が増している。肺動脈弁のような半月弁不全は、弁構造を修復しない限りは改善せず、その治療タイミングが議論されている。健康寿命という面からも、心機能を維持するためにもますます重要かつ高度になってきている肺動脈弁治療に関し、外科的肺動脈弁置換術(SPVR)に代わるものとして、経カテーテル的肺動脈弁治療(TPVI)が登場し、治療域が広がってきた。TPVIの普及に伴い、より多くの無症状患者がこの手術の恩恵を受けられる可能性があり、これが不顕性の右心不全の回避につながるとされている。(TPVI後の外科治療)TPVIは2000年に初めて報告されて以来、多くの報告がある。本年(2023年)の報告ではSAPIENは12年で82.2%の回避率である。現在ではTPVI in TPVIの報告はなく、外科手術が次の治療になるが、主には狭窄症例がその適応になる様である。現在までに報告されているTPVI後の外科手術の適応に関して、列挙する。1.三尖弁逆流の進行2.感染症3.冠動脈の圧迫4.ステントの破綻―プレステントの採用以来減少5.狭窄例に対する拡張障害、特にホモグラフトなどの狭窄している導管に入れた場合6.成長に伴う変化(まとめ)TPVIの普及に伴い、現在までのSPVRによるとされる手術合併症を回避することができ、より多くの無症状患者がこの手術の恩恵を受けられる可能性がある。正確な右室機能の評価により、life-longを考えた治療が行えるものと思われる。将来的には、外科手術とカテーテル治療を同時に行うはブリッド治療が普及するのではないかと考える。