[II-SY07-04] Fontan循環不全に対する肺血管拡張療法
キーワード:フォンタン循環, 肺血管拡張薬, 中心静脈圧
フォンタン術後遠隔期の様々な合併症は中心静脈圧の高さと密接に関連している。肺血管拡張薬は肺血管抵抗を低下させフォンタン患者の中心静脈圧を下げる可能性を持っている。しかし、フォンタン術後患者における肺血管拡張薬の有効性を明らかにしえた臨床研究は少なく、明確なエビデンスには乏しいのが現状である。演者の考えでは、フォンタン循環には病期があり、循環不全の問題点は時間経過とともに変化していくため、一律な肺血管拡張薬の仕様では有効性を確認することは困難である。したがって臨床研究を考える際もどのような循環動態のフォンタン患者でコホートを作るかが重要なポイントになると考えられる。本発表では、そのような視点からフォンタン循環に対する肺血管拡張薬の臨床的役割について考察する。