[II-SY08-04] 在宅医療における先天性心疾患・心不全患者への Advance care planning(ACP)の取り組み ―医療ソーシャルワーカーの視点から―
キーワード:先天性心疾患, ACP, 在宅医療
【背景】心不全患者は、予後予測の難しさ、疾病の認知度の低さ、疾病と社会福祉制度のミスマッチなどの要因により、ACPを実践することへの難しさを感じることが少なくない。さらに先天性心疾患の場合は、患者と代理意思決定者の曖昧さ、閉鎖された社会的環境での成長、予測していなかったライフステージなどの要因が加わるため、患者のみならず、患者を取り巻く人々も含めた人生や生活そして生命と、よりLIFEの視点を持ってACPを実践することが重要となる。【結果】当院では、在宅医療移行期、在宅療養生活期、終末期において、継続したACPに取り組んでいる。2012年の開院以降に当院で介入した先天性心疾患患者は17名、平均年齢44歳であった。そのうち11名において、小児循環器科もしくは小児科からの紹介となっている。先天性心疾患患者の在宅移行は、病院から在宅への移行に加え、小児領域から成人領域への移行を意味することも多いため、特にそれぞれの専門性を活かした病院と地域の連携に、より力を入れている。例えば、病院での退院前カンファレンスによる共同意思決定や、医療用SNSを利用した日頃の情報共有など、進行する病状や変わりゆくライフステージの中で、多施設多職種で共同しながら、その時々の患者・家族の思いに寄り添い方針を決定していく。そして最近では、オンラインカンファレンスが活発となり、自宅での担当者会議に、病院主治医が参加し共同意思決定を行う機会も増え、ACPにおける地域連携・病診連携の在り方も変化している。【まとめ】本セッションでは、当院でのACPの取り組みについて、医療ソーシャルワーカーの視点から報告する。