The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

術後遠隔期・合併症

一般口演(III-OR28)
術後遠隔期・合併症

Sat. Jul 8, 2023 1:50 PM - 2:50 PM 第7会場 (G314+315)

座長:新川 武史(東京女子医科大学 心臓血管外科), 座長:木村 成卓(慶應義塾大学 外科学(心臓血管))

[III-OR28-01] 当院におけるdouble switch手術の長期成績

柴垣 圭佑, 盤井 成光, 今井 健太, 小森 元貴, 富永 佑児, 小野 譲数, 谷本 和紀, 市川 肇 (国立循環器病研究センター 小児心臓外科)

Keywords:double switch手術, 修正大血管転移, 長期成績

【緒言】double switch手術(DSO)は、修正大血管転位(ccTGA)の解剖学的修復術であり、機能的修復術に比べ三尖弁や体心室機能が保たれるとされている。一方で遠隔期に新大動脈弁逆流や体心室左室機能低下などを認めるとの報告もあるが、本邦での長期成績の報告は少ない。今回我々は当院での過去30年間のDSOの成績について検討した。【方法】1989年4月から2021年3月の間に当院でccTGAに対しDSOを施行した15例を対象とした。Senning+Jateneは12例(80%)、Mustard+Jateneは3例(20%)であった。手術時年齢中央値 1.5歳(1.1-4.1)、体重中央値 10.0kg(8.0-13.5)、区分診断はSLL 14例(93%)、IDD 1例(7%)であった。術前に肺動脈絞扼術は12例(80%)で施行した。生存率、再手術回避率、ペースメーカ回避率、術後の弁逆流の発生率、心機能を検討した。【結果】術後観察期間の中央値は13.5年(10.4-23.0)であり、全例生存。再手術例は2例で、1例は残存心室中隔欠損孔の閉鎖、もう1例は高度三尖弁逆流と心不全のため三尖弁形成術と両方向性Glenn手術を施行した。再手術回避率は10、20年で87%、87%であった。術後房室ブロックによるペースメーカーの新規植え込みを6例(40%)で要した。直近の経胸壁心臓超音波検査(術後15.3±8.0年)では、moderate以上の大動脈弁、僧帽弁、三尖弁逆流はそれぞれ13%、0%、7%であった。直近の心臓カテーテル検査(術後5.3±7.4年)では、左室機能は保たれていた(左室駆出率は59.4±11.4%、左室拡張末期圧は6.5±7.6mmHg)。体静脈狭窄、肺静脈狭窄は認めなかった(平均中心静脈圧は5.9±3.6mmHg、平均肺動脈圧は12.9±7.5mmHg)。【結語】術後30年間において死亡症例はおらず、再手術回避率も良好であった。左室機能は保たれ、治療介入の必要な弁逆流は三尖弁形成の1例のみであり術後成績は良好であった。