[III-P09-1-01] 成人先天性心疾患診療に携わる循環器内科医へのインタビュー
Keywords:成人先天性心疾患診療, 循環器内科医, インタビュー
【緒言・目的】小児期発症慢性疾患の小児診療科から成人診療科への移行においては、転科(転院)という課程が必要になるが、それには形式的な問題の他に、患者にとっては慣れた環境から不慣れな場所へ身を置くこと、また小児科医にとっては今後この患者がどのような環境で診療を受けるのかが見えづらいという、心理的な不安要素も大きな問題である。そこで、成人先天性心疾患の診療に携わる成人診療現場の実際の声を小児循環器医に届ける目的で、成人循環器内科医(成人先天性心疾患専門医もしくは直接携わる医師)にインタビューを行った。【方法・内容】当初は各施設へ赴き、実際の診療現場を見せて頂く計画であったが、新型コロナ感染流行により、zoomを用いたwebでのインタビュー形式に変更した。インタビュー内容は以下の通りである。①所属施設の先天性心疾患診療の沿革、②医師個人が先天性心疾患診療に携わることになった経緯、③診療体制(外来状況・周囲の協力体制・コメディカル・院内の認知度・院外への周知や宣伝など)、④現実の診療状況(紹介元・患者の疾患種類・年齢など)、困難な点や循環器内科医が携わる利点、⑤若手医師教育、⑥制度や社会の中での成人先天性心疾患診療について思うこと(地域の移行問題の認知度なども含めて)、⑦小児循環器医に言いたいこと、⑧他の循環器内科医に言いたいこと、⑨移行について小児科医へのアドバイス、⑩特に伝えたいエピソード。【結果・結論】各地域における地理的・歴史的背景も大きく関与しているが、携わる成人診療科医師は、時には周囲の協力が少ない中で情熱を持って診療に携わっていることが分かった。しかし、移行における周囲・地域の理解・認知度はまだ十分とは言えないところもあり、特に若手医師の教育について課題が多くあると感じていた。また小児科医に対しては、お互いに顔の見える診療を求めていることが分かった。