The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

ACHD

ポスター発表(III-P09-1)
ACHD1

Sat. Jul 8, 2023 9:30 AM - 10:00 AM ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:前田 潤(東京都立小児総合医療センター循環器科)

[III-P09-1-03] HCM、MRとして経過観察されていた75歳に初診断されたccTGAの1例―地域病院でより多くの成人先天性心疾患を診断するために出来ることはー

宮田 豊寿1,2, 太田 教隆1, 檜垣 高史2 (1.愛媛県立新居浜病院, 2.愛媛大学大学院医学系研究科地域小児・周産期学講座)

Keywords:修正大血管転位症, 先天性心疾患, 診断

【背景】後期高齢者になるまで未診断の修正大血管転位症(ccTGA)の症例は稀である。今回一般循環器内科でHCM、MRとして経過をみられ、75歳で初診断されたccTGAの症例を経験したので報告する。【症例】75歳女性。71歳から両下腿浮腫がみられ、心エコー検査でmoderate MR(解剖学的TR)を認め、一般内科で経過観察されていた。73歳からPVCが目立ち、当院循環器内科に紹介された。その際、HCM、moderate MRと診断され、無投薬で経過をみられていた。75歳から労作時の呼吸苦、MRの増悪がみられ、心臓血管外科医に僧帽弁形成手術を依頼された。心臓造影CT検査からccTGAが疑われ、小児循環器医により心エコー検査を再検され、ccTGA、moderate TRと診断された。内科的心不全管理を行い、心不全症状は改善している。【考察】成人期の先天性心疾患診療においてccTGAは重要な疾患の一つである。一般循環器内科領域での心エコー検査は心機能評価が主目的であり、先天的形態異常の評価が必要なccTGAの診断は必ずしも容易ではない。一方本症例の過去の心エコー検査記録から心臓形態に何らかの異常があることを臨床検査技師から指摘されていたが、診断には至らなかった。このことから成人先天性心疾患領域において先天性心疾患に関わる医師が循環器内科医だけではなく臨床検査技師とも情報共有し、フィードバックできるシステムを構築することが必要である。また先天的形態異常を見落とさないために、評価すべきチェック項目リストの作成も有用であると思われた。【結論】75歳で初診断されたccTGAを報告した。成人期の先天性心疾患診断のために、技師への教育、情報共有が大切であると思われた。