The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Oral Session

複雑心奇形

Oral Session (I-OR02)

Thu. Jul 11, 2024 9:10 AM - 10:10 AM ROOM 6 (4F 401-403)

座長:宮地 鑑(北里大学医学部心臓血管外科)
座長:麻生 健太郎(聖マリアンナ医科大学 小児科)

[I-OR02-01] Indications for valve replacement for atrioventricular valve regurgitation of functional single ventricle

増田 詩央1, 星野 健司1, 橘高 恵美1, 築野 一馬1, 大森 紹玄1, 百木 恒太1, 真船 亮1, 河内 貞貴1, 野村 耕司2 (1.埼玉県立小児医療センター 循環器科, 2.埼玉県立小児医療センター 心臓血管外科)

Keywords:弁置換, 房室弁逆流, 機能的単心室

【背景】機能的単心室では房室弁逆流が心房圧や肺動脈圧上昇とoutput低下を来すため、弁逆流へ積極的介入が求められる。小児での房室弁逆流への外科介入は形成術が第一選択だが、機能的単心室でsevereな弁逆流の場合、経過中に循環不全に陥る症例も少数ながら存在する。当施設の経験から早期に弁置換を考慮すべき症例を検討する。
【方法】2017年1月~2024年1月に機能的単心室で弁形成、弁置換を行った症例を診療録から後方視的に検討した。
【結果】対象は47例で弁形成44例、弁置換3例であった。介入弁は共通房室弁14例、三尖弁33例であった。共通房室弁形成の術式はEdge-to-edge法、2弁口化、交連形成、弁輪縫縮、三尖弁は弁輪縫縮、交連形成、Edge-to-edge法、人工腱索であった。弁形成時期はBCPS前姑息術時(NW 6例、PAB 4例、BTS 1例)、BCPS時18例、TCPC時7例、BCPS前(単独)3例、BCPS後(単独)4例、TCPC導管交換時1例、弁置換はbil PAB後、BCPS後(単独)、TCPC時であった。弁形成例では術前の心エコーでsevere 4例、moderate 15例、mild 25例、弁置換例はsevere 2例、moderate 1例であった。死亡例は5例(弁形成+弁置換後1例、弁置換後1例、弁形成後3例)で、そのうち弁逆流が直接的な原因と考えられた症例は3例であった。3例はいずれも術前に循環不全を来しECMO下で手術介入になった。そのうち2例は乳児期早期からカテコラミンサポートを要した。
【考察】弁形成時、経胸壁心エコーの他、経食道3Dエコー、術中の経心膜エコーを行い、弁逆流部位の同定と術式決定している。1回の弁形成で制御できることは少なく、初回姑息術、BCPS、TCPCの主な3回の手術時に弁形成を同時に行うことで、弁逆流の制御を狙っている。一方、severeな弁逆流の症例では、outputが少なく、感冒や静脈鎮静などを契機に循環不全に陥りやすい。早期にカテコラミンサポートを要するsevereな弁逆流の症例では、積極的に弁置換を検討すべきと考える。