[I-OR02-05] Intraatrial tunnel in single ventricle physiology with mitral atresia and stenosis
Keywords:卵円孔, 左心低形成症候群, BAS
【背景】僧帽弁閉鎖や狭窄を伴う単心室症においては、心房間交通が欠損孔ではなくTunnelとして存在する例を経験する。【方法】2000年から2023年の間に入院した僧帽弁閉鎖や狭窄を伴う単心室 32例(左心低形 成症候群 20例、その他の単心室12例)を、Tunnel型の心房間交通を有する群(Tunnel型群) 9例と欠損孔による通常型の心房間交通を有する群(通常型群) 23例に分類した。Tunnel型心房間交通はいずれの例も心房後上方に位置した。経皮的心房中隔裂開術(BAS)の時期、方法、効果を2群間で比較した。【結果】胎児診断例は10例(Tunnel型群 3例、通常型群 7例)であった。Tunnel型群 3例の胎児肺静脈血流は3例はTaketazu分類Aで内1例は心房後壁側にTunnel状の交通が存在した。出生後にBASを実施した症例は18例(56%)で、BAS施行日齢は27(6─79)日であった。BASの方法は、Pullback 4例、Static 2例、Static+Pullback 4例、RFワイヤーまたはRFニードルによる欠損孔作成 8例であった。左房平均圧は BAS前8(4─12)mmHg からBAS後 6(4─8)mmHg へ有意に低下した(P=0.004)。2群間の比較では、Tunnel型 群が通常型群よりBAS実施の割合が多かった[ 9例/9例(100)% vs 9例/23例(39%)、 P=0.002]。Tunnel型群の BASの方法は新たな欠損孔作成が7例と多く、Static 1例、Static+Pullback 1例であった。BAS施行日齢は両群間で差はなかった[7(1─29)日 vs 35(27─91)日、P=0.17]。【結論】Tunnel型心房交通は胎児期にTunnel状の交通として確認でき、Taketazu分類Aであっても出生後は心房間交通が制限されBASが必要となる。またBASの方法はPullbackやStaticでは十分な効果が得られないため、新たな欠損孔を作成する必要がある。