[I-OR02-06] 肺静脈狭窄に対する治療戦略としてのステント留置
キーワード:肺静脈狭窄, ステント, 肺静脈還流異常
【背景】繰り返す肺静脈狭窄は治療に難渋し予後不良である。狭窄部位がより末梢に進行し、long segmentに細い肺静脈やほぼ閉塞した肺静脈に対しては外科的介入が困難であり、ステント留置は上記症例の適応となる【目的】当院で肺静脈狭窄に対してステント留置を行った症例の経過、予後を後方視的に検討【対象】2012年1月~2024年1月までに当院でステント留置を行いフォローしている症例【結果】<留置ステント本数>69(サイズアップしたステントの入れ替え9、stent奥に追加8、stent stratに追加1)<ステント種類>Expess48、Omnilink12、薬剤溶出性9<症例数>25(単心室13うちAsplenia7、二心室12)<留置方法>開胸下49、経皮的20<留置時の状況>閉塞血管への留置4、留置時後拡張9<ステント留置時年齢、体重>2か月~22歳2か月(平均3歳1か月)、2.3~52kg(平均8.6kg)<ステント径>3.5~10(中央値7)mm<留置前手術介入>0~4(平均1)回<留置前バルーン回数>0~14(平均3)回<留置後バルーン回数>0~39(平均7)回<直近のバルーン間隔>28日~7年3か月(平均10か月)<留置後経過観察期間>1か月~11年2か月(平均4年)<ステント転帰>閉塞6、migaration1、断裂1<ステント開存率(1年/5年/10年)>全体:85.7/67.2%/44%、単心室:84.6/76.1/46/8%、二心室:87/61.5/61.5%<症例転帰>死亡8(単心室4、二心室4)<生存率(1年/5年/10年)>87.5/68.6/58.8%【考察】開胸下留置はステントをカットし長さの調節ができること、stentを固定できるなどのメリットがあり当院では多く選択されている。ほぼ閉塞部位では小口径であってもステント留置により開存を得、後にサイズアップしたステントを留置する戦略をとる症例もある。よりstent径が大きいほうが長く開存する傾向にあるが、開存維持のためには頻回なバルーン拡張など細やかなフォロ―が必要である。長期に開存が得られることによりステントのサイズアップが必要な症例もあった。