The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Oral Session

胎児心臓病学

Oral Session (I-OR03)

Thu. Jul 11, 2024 10:10 AM - 11:10 AM ROOM 6 (4F 401-403)

座長:三好 剛一(国立循環器病研究センター 研究振興部)
座長:桃井 伸緒(福島県立医科大学周産期小児支援講座)

[I-OR03-02] Severe left ventricular coronary artery fistula in hypoplastic left heart syndrome is associated with fetal left ventricular morphology

鈴木 彩代1, 村岡 衛3, 連 翔太1, 白水 優光1, 田尾 克生1, 佐藤 正規1, 倉岡 彩子1, 山村 健一郎1, 漢 伸彦2, 石川 友一1, 佐川 浩一1 (1.福岡市立こども病院 循環器科, 2.福岡市立こども病院 胎児循環器科, 3.福岡市立こども病院 集中治療科)

Keywords:左心低形成症候群, 左室冠動脈瘻, 胎児エコー

【背景】左心低形成症候群(HLHS)の僧帽弁狭窄大動脈弁閉鎖(MSAA)症例は予後不良である。左室冠動脈瘻(SC)合併の有無は重要なリスク因子であり、重症SC・心房中隔欠損(ASD)狭小例はASD拡大時重大な心イベントを起こし得る。【目的】胎児期のエコー所見でSC合併やその重症度を予測する。【方法】対象は2013年1月~2023年12月に当院でHLHS(MSAA)と診断した胎児10例。胎児期の心形態と出生後のSC合併やASD拡大時重大心イベント発生との関連を検討。心形態は左室・僧帽弁・上行大動脈等の径、僧帽弁逆流や卵円孔狭窄の程度を評価。左室が正円形・楕円形のいずれにより近いかを評価するため、左室縦横径比から1を除した値の絶対値をLeft ventricle morphological index(LVM Index)と定め、値が小さい程正円形に近い左室であるとした。【結果】胎児エコー施行時期中央値は妊娠31週0日。8例がSCを合併。SC合併例は非合併例よりLVM Indexが有意に小さく(0.24 vs 1.34, p=0.04)、左室は正円形に近かった。SC合併例中7例が新生児期にASD拡大を要し、うち4例に重篤な心イベント(心筋障害1例、一過性房室ブロック2例、上室性頻拍1例)が発生。心イベント発生例(4例)、SC非合併例を含む心イベント非発生例(6例)の比較でも、心イベント発生群のLVM indexは有意に小さかった(0.10 vs 0.83, p=0.01)。僧帽弁輪径や僧帽弁逆流・卵円孔狭窄の程度はSC合併の有無や心イベント発生と関連なし。SC合併、心イベント発生の有無を予測するLVM indexのカットオフ値をそれぞれ1.051、0.219とするといずれのAUCも1と良好な感度・特異度を示した。【考察】胎生期のSC形成には閉塞された高圧の心室腔が関連している。正円形に近似する左室の内腔は高圧であることが示唆され、SC発生・重症度と関連し得る。【結論】HLHS(MSAA)の胎児エコーで左室形態をLVM indexで評価することで、SC合併やASD拡大時の心イベント発生の有無を予測できる可能性がある。