[I-OR07-03] 先天性門脈体循環短絡症(CPSS)に対するカテーテル治療の適応と注意点
キーワード:CPSS, カテーテル治療, Vascular Plug
【背景】
CPSSは1/小児3万人と報告されるが近年報告は増加している。先天的に肝内や肝外で体静脈系と門脈系にシャントを有し、肺高血圧、肝腫瘍、脳症などの合併症を生じる。種々のデバイスが普及しカテーテル閉鎖が行われるようになってきている。
【目的・方法】
2012年以降に当院で治療したCPSS 33例のうち一期的カテーテル閉鎖術23例と外科治療10例を対象とし、カテーテル閉鎖の適応や注意点について検討した。
【当院の方針】
肝内型は2歳以降に、肝外型は体格を加味し閉鎖時期を決定する。シャント閉塞下門脈圧が25mmHg以下かつ肝内門脈を認めるものを一期的閉鎖適応とし、解剖学的にカテーテル閉鎖の是非を検討する。
【結果】
一期的カテーテル閉鎖23例は、男14例、診断2.4歳(0-21歳)、治療5.9歳(1.9-23歳)、心形態異常12例(53%)、染色体疾患3例(13%)、精神発達遅滞14例(56%)、PH合併6例(26%)、Qs 5.3ml/min/m2(3.0-7.7)で、外科治療例と差はなかった。シャント閉塞下門脈圧は17(5-25)mmHgで、肝内型8例、肝外型15例であった。外科治療例は肝外型で門脈本幹がIVC高位に還流するものが多かった(5/10例)。閉鎖デバイスは、2017年まではCoil 10例であったが、2018年以降はVascular Plug(VP) 11例(+Coil 6例)、ADO 1例、Coil 1例であった。VPのサイズは短絡血管の1.5~2倍で、閉鎖バルーン径も参考にした。蛇行血管ではVPIIのDisk間に、短い血管ではVPI内にCoil充填して塞栓力を強めた。全例で完全塞栓し脱落などの合併症はなかった。外科治療例は門脈血栓、静脈瘤出血を1例ずつ認めた。
【結語】
シャント閉鎖下門脈圧 25mmHg以下であれば一期的閉鎖を検討できる。ただしCPSSは多彩で、症例毎にアプローチや血管の太さ、長さ、形態から治療戦略を立てる必要がある。短絡は太いことが多くVPが有用であるが、脱落を防ぐサイズ選択が重要である。蛇行血管や短い血管ではVP単独での閉鎖は難しく、Coil併用や他デバイスを考慮する。
CPSSは1/小児3万人と報告されるが近年報告は増加している。先天的に肝内や肝外で体静脈系と門脈系にシャントを有し、肺高血圧、肝腫瘍、脳症などの合併症を生じる。種々のデバイスが普及しカテーテル閉鎖が行われるようになってきている。
【目的・方法】
2012年以降に当院で治療したCPSS 33例のうち一期的カテーテル閉鎖術23例と外科治療10例を対象とし、カテーテル閉鎖の適応や注意点について検討した。
【当院の方針】
肝内型は2歳以降に、肝外型は体格を加味し閉鎖時期を決定する。シャント閉塞下門脈圧が25mmHg以下かつ肝内門脈を認めるものを一期的閉鎖適応とし、解剖学的にカテーテル閉鎖の是非を検討する。
【結果】
一期的カテーテル閉鎖23例は、男14例、診断2.4歳(0-21歳)、治療5.9歳(1.9-23歳)、心形態異常12例(53%)、染色体疾患3例(13%)、精神発達遅滞14例(56%)、PH合併6例(26%)、Qs 5.3ml/min/m2(3.0-7.7)で、外科治療例と差はなかった。シャント閉塞下門脈圧は17(5-25)mmHgで、肝内型8例、肝外型15例であった。外科治療例は肝外型で門脈本幹がIVC高位に還流するものが多かった(5/10例)。閉鎖デバイスは、2017年まではCoil 10例であったが、2018年以降はVascular Plug(VP) 11例(+Coil 6例)、ADO 1例、Coil 1例であった。VPのサイズは短絡血管の1.5~2倍で、閉鎖バルーン径も参考にした。蛇行血管ではVPIIのDisk間に、短い血管ではVPI内にCoil充填して塞栓力を強めた。全例で完全塞栓し脱落などの合併症はなかった。外科治療例は門脈血栓、静脈瘤出血を1例ずつ認めた。
【結語】
シャント閉鎖下門脈圧 25mmHg以下であれば一期的閉鎖を検討できる。ただしCPSSは多彩で、症例毎にアプローチや血管の太さ、長さ、形態から治療戦略を立てる必要がある。短絡は太いことが多くVPが有用であるが、脱落を防ぐサイズ選択が重要である。蛇行血管や短い血管ではVP単独での閉鎖は難しく、Coil併用や他デバイスを考慮する。