[I-OR08-03] GORE社製Cardioform ASD Occluder (GCA)のワイヤーフレームフラクチャー (WFF)に関する検討
キーワード:Cardioform ASD Occluder, ワイヤーフレームフラクチャー, 経皮的心房中隔欠損閉鎖術
【背景】GCAのWFFに対する懸念は未解決のままである。【目的】当院で実施したGCA留置例のWFF の発生時期や発生機序の検証【対象と方法】対象は2021年9月以降に経皮的心房中隔欠損閉鎖術を行ない、6ヶ月以上経過観察を行ったGCA留置例53例。通常の方法で留置を行ったA群(14例)とoff-label techniqueであるデリバリーカテーテルの先端を曲げるbending technique方法で留置を行ったB群(39例)の二群間でWFF の発生時期などを比較検討。【結果】年齢、体重はA群8.1±2.7歳、26±8.4kg、B群8.3±4.2歳、26±9.2kgと有意差なく、欠損孔径、aortic rim長、IVC rimcはA群10±2.6、5.5±4.8、13±4.8mm、B群13±3.9、3.5±2.9、11±5.4mmでB群でより欠損孔が大きく、rim長さが短かった。留置された27、32、37、44mm閉鎖栓はそれぞれA群4、8、2、0例、B群8、11、19、1例44mmで、デバイスサイズに対する心房中隔長比、欠損孔に対するデバイスの面積比(device area index)はA群1.2±0.2、13±7.8、B群1.0±0.1、9.4±4.7とB群により大きい閉鎖栓が留置されていた。WFF 発生例はA群9例、B群7例で留置後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年時の観察でA群6、2、0、1例、B群1、3、0、3例に認めた。手技が安定した2022年7月以降は1/24例に留まっている。【考察と結論】既成の製品では、デリバリーの際にアライメントが合わず、cuppingの際により引き付ける必要があり、特に1ヶ月以内の短い時期にWFFを来している。より大きいサイズを用いた場合には、1年以上経過した際に生じていることから心房のリモデリングが関与している可能性がある。一方で手技の慣れ、bending techniqueでWFFを予防できる可能性がある。