[I-P01-3-01] 心臓MRIで計測した心筋重量は先天性心疾患における心不全の重症度と相関し、予後因子としても有用である
キーワード:心筋重量, 心臓MRI, 先天性心疾患
【背景】心筋肥大は心血管イベントに関わる重要因子であるが、先天性心疾患における心筋肥大の意義の報告は少ない。心臓MRIは心筋重量を評価する方法として有用であり、心臓MRIで求めた心筋重量と先天性心疾患の心不全の重症度・予後について検討した。
【方法】後方視的研究で対象は当院で2017年から2022年まで心臓MRIと心臓カテーテルを同時期に施行した459例。年齢中央値は8歳(0-35歳)、男性が59%、単心室循環が71%。心筋重量は体心室で石川らの報告した予測左室心筋重量=43.95x体表面積の1.274乗に対する%で評価した。EndpointはBNP値、心イベント(心不全、頻脈、弁機能悪化による手術)を設定し、単心室群、2心室群で心筋重量との関係を評価した。
【結果】心筋重量は単心室群で2心室群と比較し大きく(平均108 vs 123%)、多変量解析でBNP(r=0.41)、SpO2(r=-0.4)と有意な相関を認め、単心室群の方がBNPとの相関がより強かった(r=0.48)。また、単心室群では心筋重量は肺動脈血流量と負の相関(r=-0.27), 肺静脈血流と正の相関(r=0.19)、心室拡張末期容積と正の相関(r=0.58), 駆出率と負の相関(r=-0.28)を認め、肺動脈血流が少ないと側副血管が増え、心拡大を伴う心筋肥大がおき心収縮が低下すると考えられた。Logistic回帰分析では、心筋重量は心室拡張末期容積と独立して心イベントと関係し(Odds ratio 1.010)、 ROC曲線では2心室群ではAUC 0.74, Cutoff 値111%で、単心室群ではAUC 0.76, Cutoff 値134%であった。
【結論】MRIで測定した心筋重量は先天性心疾患の心不全の重症度および予後と相関し、心不全治療の選択に有用なツールと考えられた。
【方法】後方視的研究で対象は当院で2017年から2022年まで心臓MRIと心臓カテーテルを同時期に施行した459例。年齢中央値は8歳(0-35歳)、男性が59%、単心室循環が71%。心筋重量は体心室で石川らの報告した予測左室心筋重量=43.95x体表面積の1.274乗に対する%で評価した。EndpointはBNP値、心イベント(心不全、頻脈、弁機能悪化による手術)を設定し、単心室群、2心室群で心筋重量との関係を評価した。
【結果】心筋重量は単心室群で2心室群と比較し大きく(平均108 vs 123%)、多変量解析でBNP(r=0.41)、SpO2(r=-0.4)と有意な相関を認め、単心室群の方がBNPとの相関がより強かった(r=0.48)。また、単心室群では心筋重量は肺動脈血流量と負の相関(r=-0.27), 肺静脈血流と正の相関(r=0.19)、心室拡張末期容積と正の相関(r=0.58), 駆出率と負の相関(r=-0.28)を認め、肺動脈血流が少ないと側副血管が増え、心拡大を伴う心筋肥大がおき心収縮が低下すると考えられた。Logistic回帰分析では、心筋重量は心室拡張末期容積と独立して心イベントと関係し(Odds ratio 1.010)、 ROC曲線では2心室群ではAUC 0.74, Cutoff 値111%で、単心室群ではAUC 0.76, Cutoff 値134%であった。
【結論】MRIで測定した心筋重量は先天性心疾患の心不全の重症度および予後と相関し、心不全治療の選択に有用なツールと考えられた。