[I-P01-4-04] Gore Cardioform ASD使用開始後の当院でのASD治療実績
キーワード:心房中隔欠損症, カテーテル治療, Gore Cardioform ASD
当院ではGore Cardioform ASD(GCA)の使用開始後から、閉鎖適応のある症例に対しては積極的にGCAを使用してきた。今回、当院でのGCA使用例をまとめ、GCAの特徴などを考察した。当院でGCA使用開始後にカテーテル検査または治療を行ったASD症例は全41例、うち36例で留置を試みた。25例でGCAでの閉鎖が可能であった。Figulla Flex II(FFII)を用いたのは8例、留置を試みたが閉鎖できなかったのは3例、カテーテル治療対象外と判断されたのは5例であった。Amplatzer Septal Occluder(ASO)を使用した症例はなかった。使用したGCAのサイズは27mmが6例、32mmが7例、37mmが8例、44mmが2例、48mmが1例であった。FFIIで閉鎖した症例のうちelectiveにFSOで閉鎖した症例が3例、GCAで閉鎖できずFFIIに変更して閉鎖した症例は5例あった。GCAからFFIIへの変更理由として3例でGCA留置時に房室ブロックが出現、1例は欠損径が小さくGCAでのオーバーサイズが原因であった。また、留置を試みたものの閉鎖できなかった症例はrimが浅いと判断したものが2例、不整脈が出現しFFIIでも閉鎖できなかったものが1例であった。経過中にGCAに起因すると思われる何らかの不整脈を認めたのが8例、うち1例は留置断念、3例はFFIIに変更し留置可能であった。ほかは4例は一過性の不整脈で自然回復している。GCAでは遠隔期にストラットの折損(WFF)が報告されているが、当院症例では10例で認めている。留置後1か月でWFFを認めた症例もあった。しかし折損が臨床的に問題となった症例はなかった。当院でのGCA使用開始後、61%の症例がGCAで閉鎖できており、FSOと合わせて92%で閉鎖可能だった。当院ではGCA使用開始前はAoritc rimからsuperior rimが乏しい症例はハイリスクとして治療適応外としていたが、GCAでは安全に閉鎖できている。GCAを併用することで幅広い症例に対してカテーテル治療が可能となった。