第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

カテーテル治療

ポスター発表(I-P02-4)
カテーテル治療2

2024年7月11日(木) 14:20 〜 15:20 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:杉山 央(大阪市立総合医療センター 小児循環器不整脈内科)

[I-P02-4-08] 心房中隔瘤を伴う多孔性心房中隔欠損に対して1個のGore Cardioform ASD occluderで閉鎖し得た症例の経験

松原 一樹, 藤本 一途, 坪谷 尚季, 村山 友梨, 加藤 温子, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター)

キーワード:multi-fenestrated atrial septal defect, Gore Cardioform ASD occluder, atrial septal aneurysm

【背景】Gore Cardioform ASD occluder (GCA) は柔軟性に富み、様々な形態の欠損孔に用いられる。しかし、1つのGCAによる心房中隔瘤を伴う多孔性ASDの閉鎖に関する知見は十分に得られていない。【症例1】8歳女児、体重23.0kg、主孔は12.4mm*12.7mmで大動脈rim欠損(bald Ao)を伴い、副孔は1mm程度、二つの孔は9.6mm離れていた。主孔の下方には副孔を含む13.7mmの心房中隔瘤を認めた。Balloon sizing (BS)で19mm、Sizing中の心房中隔(IAS)径は38.1mmで、主孔に大きめのGCA37mmを留置した。翌日の経胸壁超音波検査で遺残短絡を認めなかった。【症例2】16歳女性、体重48.4kgで、主孔は11mm*6.1mmでbald Aoを伴い、主孔の下方にmulti fenestrated ASD(3欠損孔以上)を伴う14.9mmの心房中隔瘤にがあった。BSで18mm、Sizing中のIAS径は39mmで、主孔に大きめのGCA37mmを留置した。翌日の経胸壁超音波検査で遺残短絡があったが、6ヶ月後には消失していた。【症例3】8歳女児、体重24.9kgで、主孔は6.7mm*8.6mmでbald Aoを伴い、冠静脈洞開口部上方に2.8mmの副孔を認め、二つの孔は約2mm離れていた。主孔を含む20.1mmの心房中隔瘤を認めた。BSで11mm、Sizing中のIAS径は35mmで、主孔にone size up しGCA32mmを留置した。留置直後には副孔より3.2mmの遺残短絡を認め、1ヶ月後も残存し現在も経過観察中である。【考察】Balloon Sizing 中のIAS径を参照にし、心房中隔瘤を被覆できる大きめまたはone size up のGCAサイズを選択することで、心房中隔瘤を伴う多孔性ASDを1個のGCAで閉鎖できる可能性が考えられた。