[I-P03-2-04] Indications for ductus venosus stent implantation for asplenia, single ventricle, and total anomalous pulmonary venous connection 3
Keywords:asplenia, TAPVC 3, DV stent
【緒言】無脾症、単心室に総肺静脈還流異常症(TAPVC)の合併は予後不良であり、TAPVC repairの時期が重要。また肺静脈閉塞(PVO)の有無も重症度に関係するが、TAPVC(3)は静脈管(DV)閉鎖によってPVOが顕在化するために、DV stent留置が治療戦略となるが、当院では2022年より房室弁逆流がmoderate以上の症例にはstent留置としている。【目的】TAPVC repair時期の妥当性について検討。【方法】2014年1月から2023年12月までに当院で治療を行った無脾症、単心室、TAPVC(3)の7例について後方視的に検討。【結果】房室弁逆流moderate以上2例、mild 3例、trivial 2例で、moderate以上の1例にDV stent留置。PA 1例、PS 6例で3例にbandingを追加。TAPVC repairはすべてsutureless repairにて施行され、stent留置例はday 87、それ以外はday 36.3±29.6に施行、day94まで待機症例もいたが、概ね30日以内でTAPVC repair。術後PVOで再介入を要したのは1例。死亡は3例で、房室弁逆流がmoderate以上のstent留置なし例とPA例が弁置換となり失い、喉頭軟化症合併による呼吸器要因で1例失った。【考察】当院ではTAPVC repair時期を生後1ヶ月頃としているが房室弁にもPVOにも肺への流入血流制限は重要と考えてPS症例でもチアノーゼが許容されれば、bandingを施行している。しかし房室弁が予後を規定する症例は、初回外科介入時期をDV stent留置により遅らせる事ができる。またPA症例は肺への流入流出路を同時に介入せざるを得ない事もあり、stent留置でTAPVC repair時期を遅らせる事で先に流入血流介入をする事ができる可能性も広がると思われる。【結語】DV閉鎖によってPVOが顕在化してくるが概ね生後1ヶ月程度の待機は可能ではある。しかし手術介入時期を遅らせる事で予後改善が期待できるハイリスク症例にはDV stentを考慮。