[I-P03-4-01] Large stent供給停止のインパクト;当科における先天性心疾患にともなう血管狭窄に対する経皮的血管形成術の動向
キーワード:Large stent, 経皮的血管形成術, 先天性心疾患
【背景】わが国では先天性心疾患に対して承認されたステントはないが、対象を限定して適応外使用でステント留置が行われている。各種ガイドラインでは成人の血管径まで拡大できるステント(Large stent)を留置できる場合には、肺動脈狭窄や術後大動脈縮窄に対するステント留置はクラスI推奨となっている。一方、2023年4月以後、国内ではLarge Stentを入手できなくなった。【対象と方法】2018年1月からLarge stentが供給停止になる前の2023年3月まで(前期)と、2023年4-12月(後期)における当センターにおける肺動脈狭窄(PA)、肺静脈狭窄(PV)、大動脈縮窄(CoA)に対する経皮的血管形成術の動向について、バルーン血管形成術とステント留置術に分けて検討した。【結果】前期にはのべ147例(PA 89, PV 40, CoA 17)に対して経皮的血管形成術が行われた。年齢は日齢28から42歳で、バルーン/ステントのうち分けはPA 79/11, PV 30/10, CoA 13/4)であった。後期は19例(PA 13, PV 6, CoA 0)に対して経皮的血管形成術が行われバルーン/ステントはPA 13/0, PV 3/3であった。前期には35本のステントが留置され、留置されたステントの対象病変と内訳はPA 12本(Large/Medium以下, 5/7)、PV 16本(15/1), CoA 7本(0/7)であった。た。【考察と結語】PVではMedium以下のステントの使用頻度が比較的高く、後期でも前期と同様に経皮的血管形成術が行われていた。一方、PAでは約40%にCoAでは全例に、前期にlarge stentが留置されており、後期にはステント留置が行われていない。これらの病変では、成人の血管径まで拡大できるステントの供給再開が強く望まれる。