[I-P03-4-03] Modified BTシャントをバスキュラープラグで塞栓した2例
キーワード:modified BTシャント, 塞栓術, バスキュラープラグ
【目的】Modified BTシャント(以下MBTS)に対してバスキュラープラグ(以下AVP)で塞栓術を施行した2症例を経験したので報告する.【症例1】男児. 在胎33週1日,1696gで出生. 診断は重度肺動脈弁狭窄症,右室低形成,動脈管開存症. 肺動脈弁は針孔程度の開存で閉鎖に近く,右室が小さくFontan適応と考えられたが, 日令127の心臓カテーテル検査で右室容積は正常の75%,三尖弁弁輪径も正常の87%あり二心室修復を目指す方針とした. 右室圧が左室圧の2倍のため日令156にMBTS手術(ePTFE 4mm)および肺動脈弁切開術を施行した. 術後高肺血流で心不全管理に難渋し, 非侵襲的人工呼吸器管理からの離脱や血管拡張薬などの点滴薬剤の減量ができないため, 日令244に内径3.7mmのMBTSに対してAVPI6mmで塞栓した.塞栓直後は短絡が残存したが治療後2週間で完全閉塞を確認し人工呼吸器および点滴治療を離脱できた.【症例2】女児. 診断は無脾症候群, 右胸心, 右室型単心室症, 単心房, 共通房室弁口, 肺動脈弁下狭窄症, 総肺静脈還流異常症(心臓型), 両側上大静脈. 日令34より肺動脈弁下狭窄の進行から無酸素発作を来し, 日令39にMBTS手術(ePTFE 3.5mm)を施行. 術後高肺血流で心不全管理に難渋した.心臓カテーテル検査で肺体血流比 3.1, 肺血管抵抗係数1.8, 平均肺動脈圧30mmHgと高肺血流かつ肺高血圧であり, 側副血行路を認めず. 肺動脈絞扼術または切離術を計画したが日令96(術後57日)に壊死性腸炎を発症し人工肛門を造設したため低侵襲な治療として日令101(術後63日)に内径2.6mmのMBTSに対しAVPI4mmで塞栓した. 塞栓術の直後より完全閉塞を得られて循環が安定し一旦抜管できたが,抜管後に循環不全が再増悪し以後改善が見られず日令135(術後97日)に永眠した.【考察】いずれの症例も術後の高肺血流に対して塞栓術を施行し, AVPの選択は問題なく治療自体は有効であったと考える. 【結論】MBTSに対するAVPでの塞栓術を経験した.