[I-P03-6-03] Experiences of the first palliation in the hospital of small surgical cases
Keywords:first palliation, VSD, low volume center
【背景・目的】近年症例数の減少に加え、手術成績の維持・向上と若手外科医の修練という観点より地域における施設集約化の議論が進んでおり、年間手術症例数が50例に満たない施設では今後の方向性をいかに見出していくかが重要となる。外科手術の撤退は、心臓外科のみならず小児循環器、麻酔、集中治療、ME等の各部門への影響も考えられる。そこで新規開設したばかりの当施設における低体重PAB症例の経験より、そのあり方について考察してみたいと考える。【対象・方法】当施設開設後の2020年10月より2023年12月までに施行したPAB症例7例を対象に、原疾患、術式、術後経過より施設における安全性・妥当性を検討した。【結果】原疾患は、VSD 6例、cAVSD 1例で、18trisomyと21trisomyがそれぞれ3例。手術時月齢平均2.1m、体重2.84kgで、全例胸骨正中切開にて0.4mm PTFE tapeにて主肺動脈絞扼を行った。いずれの症例も耐術しており、うち4例が二期的手術に到達しており(心内修復3例、絞扼解除1例)、3例が待機中である。【考察】当施設での方針としては、1)手術室にて行う2)術中絞扼の評価は直接心臓にエコーを当てて行う3)術後管理もNICUにて継続する、ことを原則とした。さらに最近では4)可能な限り二期的手術も当施設にて行う、こととしている。これらの方針により、少ない症例であっても疾患や外科治療に接する機会を保つことにより、関連するDr.やスタッフのモチベーションと知識・経験を維持し、さらには各症例を集中的に管理することができるのではないかと考えている。同時に課題としては、1)SP shunt適応症例や単心室症例への対応2)back-upを依頼できる基幹施設との密な連携3)限られた症例数での人材確保と育成、等が挙げられる。【結語】施設集約化の流れにおいて、軽症例やPalliationに対応できる体制をとることにより、Low-volume hospitalの存在意義を今後も考えていくことが重要と考えられる。