[I-PD1-2] ACHDにおける心房細動アブレーションのタイミングとその効果
キーワード:成人先天性心疾患, 心房細動, アブレーション
成人先天性心疾患(ACHD)患者は、心房細動などの不整脈の合併リスクが高いとされている。日本からの報告では、40才以上の一般男性の1.35%、女性の0.43%に心房細動がみられるのに対して、ACHD患者では4.71%が心房細動を有すると報告されている。海外からの報告ではACHD患者における心房細動は3.7~15%にみられるとされ、加齢とともにその頻度は上昇することが報告されている。ACHD患者でも、特に心房に負荷のかかる心房中隔欠損や僧帽弁疾患で心房細動のリスクが高い。また、Fallot四徴症の術後でも特に左室駆出率の低下した症例で心房細動が多くみられ、55才以上では30%以上に心房細動がみられたとの報告もある。心房細動を発症すると頻拍による症状の他に、房室同期性の欠如による心不全が問題となることがある。また、心原性塞栓症の原因となりうるので、抗血栓療法も必要となる。心房中隔欠損に心房細動を合併した場合は、カテーテル閉鎖術後はアブレーションが困難になるので、先にアブレーションを行った後に閉鎖術を行うことが多い。Fallot四徴症等の他の疾患でも再手術の前にカテーテルアブレーションを施行することがある。本セッションでは、ACHD患者における心房細動アブレーションのタイミングとその治療効果について、当施設の経験を交えて報告する。