The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Panel Discussion

Panel Discussion 3

Thu. Jul 11, 2024 9:40 AM - 11:10 AM ROOM 3 (4F 409+410)

座長:岩崎 達雄(岡山大学病院 小児麻酔科)
座長:和田 直樹(榊原記念病院 心臓血管外科)

[I-PD3-4] 小児期術後縦隔炎に対しprimary closureの有効性の検討

鵜垣 伸也1, 野村 耕司1, 清水 寿和1, 本宮 久之1, 濱屋 和泉1, 大森 紹玄2, 増田 詩央2, 真船 亮2, 百木 恒太2, 河内 貞貴2, 星野 健司2 (1.埼玉小児医療センター 心臓血管外科, 2.埼玉小児医療センター 循環器科)

Keywords:縦隔炎, 小児, 一期的閉胸

【目的】小児期術後縦隔炎に対する治療は、施設により様々な方法が行われている。今回、当院での術後縦隔炎に対するprimary closureの成績を後方視的に検討した。【方法】2005年1月から2023年12月の期間で、全2181例の胸部正中切開後、縦隔炎26例(1.2%)中で18歳未満25例を今回の研究対象とした。Primary closure(P群)は再開胸洗浄・デブリドメント後の一期的閉胸及び閉創と定義し、VACを含む二期的閉胸・閉創などのそれ以外の方法をconventional therapy(C群)とした。25例中P群は16例、C群は9例であった。【結果】手術時年齢及び体重中央値はP群7.2か月(0.4-129)vsC群2.2か月(1.7-195)(p=0.34)、P群6.4kg(2.1-12) vsC群3.2kg(2.5-74)(p=0.53)で両群に差はなかった。また両群に入院死亡なく、起因菌や抗生剤投与期間でも差は認めなかった。しかし、再開胸後から正中創治癒(上皮化)までの期間中央値はP群7日(5-36)vsC群59日(13-134)で、有意にP群で短かった(p<0.01)。入院期間中央値はP群49日(22-244)vsC群104日(42-398)(P=0.05)。術後follow-up期間77か月(4.4-209)では、縦隔炎再発はP群1例vsC群2例(p=0.24)で差は認めなかったが、創離開等の局所再発はP群が有意に低かった(P群1例vsC群3例、p<0.01)。また治療を要した胸部瘻孔はP群では認めず、C群で2例に認めた(p=0.049)。【結論】小児期術後縦隔炎に対するprimary closureは縦隔内及び局所再発率を悪化させることなく、治療期間を短縮させうる有用な手技であった。