[I-PD4-1] 経カテーテル的肺動脈弁留置術導入前後における右室流出路機能不全に対する治療戦略の変化
Keywords:経カテーテル的肺動脈弁留置術, 肺動脈弁置換術, 右室流出路機能不全
【背景】経カテーテル的肺動脈弁留置術 (TPVI)が2022年から導入され、より低侵襲な選択肢が増えることで右室流出路機能不全に対する介入時期・適応が変化してきている。【目的】TPVI導入前後における右室流出路機能不全に対する治療戦略の変化を明らかにする。【方法】A. 2023-2024年における外科的生体弁置換術 (PostS群)とTPVI施行群 (T群)を合わせた群と2017-2022年における外科的生体弁置換術群 (PreS群)に対して年齢・開胸回数・MRI所見・年間施行数についてWelchのt検定を用いて比較する (P<0.05で有意差あり)。B. PostS群とPreS群における留置弁輪径・追加処置について上記検定を用いて比較する。【結果】A. PostS+T群27例におけるRVEDVI, RVESVIはPreS群67例と比較して有意に低く (平均±標準偏差以下同様、RVEDVI: 165±27 vs 191±38, P=0.0027, RVESVI: 92±23 vs 106±27, P=0.0315)、LVEF は有意に高く(59±9 vs 51±8, P=0.0019)、年間施行数も多い傾向があった (6.8例/年 vs 13.5例/年)。RVEF・年齢・開胸回数に関して有意差はなかった。B. PostS群における留置弁はPreS群と比較してInspiris・Epic弁が多く、狭窄解除や三尖弁形成等の追加処置を施行した割合は有意に多かった (71% vs 48%, P=0.0001)。【考察】TPVI導入後より厳格な適応基準・心機能が維持された状態で治療介入がなされることで全体の症例数が増加している。外科的生体弁置換は将来的なSAPIEN留置を見据えた弁が選択され、狭窄解除や三尖弁等への追加介入が必要な症例の割合が増加している。