[II-OR13-01] Sarcomere gene variants did not improve cardiac function in pediatric patients with dilated cardiomyopathy
Keywords:拡張型心筋症, 遺伝子, 左室逆リモデリング
【背景】拡張型心筋症(DCM)は、心収縮障害と心室拡張を特徴とする進行性の心筋障害である。DCM患者の中には、左室逆リモデリング(LVRR)と呼ばれる、これらの異常が改善する症例もある。しかし、遺伝子型とLVRRを含む臨床転帰との詳細な関連は小児患者においては不明なままである。
【方法】2014年から2023年の間に登録されたDCMの小児患者を対象とした。DCM関連遺伝子を同定し,遺伝子変異型とLVRRを含む臨床転帰との関連を検討した。
【結果】合計123例の小児DCM患者(男性62例、年齢中央値8ヵ月、追跡期間中央値25ヶ月)が登録された。45例(35.0%)に50の病原性変異が認められた。最も多く同定された遺伝子はMYH7(14.0%)、次いでRYR2(12.0%)、TPM1(8.0%)であった。成人DCMでは一般的であるLMNA、RBM20、PLNは、ごく少数であり、本研究の小児DCMとは対照的であった。47.5%の患者でLVRRが見られた。サルコメア遺伝子変異を有する患者では、左室駆出率は追跡期間中変化しなかったが(31.4%→39.8%、P = 0.1913)、非サルコメア遺伝子変異を有する患者では有意に増加し(33.4%→47.8%、P = 0.0466)、遺伝子変異を有しない患者では有意に増加した(33.6%→54.1%、P = 0.003)。18例(14.6%)が心臓死により死亡した。血漿中BNP高値(P = 0.008)と低年齢(P = 0.044)は死亡に対する独立した危険因子であった。
【考察】LVRRはバリアント陽性患者よりもバリアント陰性患者でより頻繁に発生し、サルコメア遺伝子のバリアントとLVRRの間には強い逆相関が認められ、既報の成人のDCMの論文の結果を支持するものであった。
【結論】小児のDCM患者は、成人のDCM患者とは異なる景観を示す顕著な遺伝的不均一性を示した。LVRRは機能的遺伝子群間で一様ではなく、小児DCM患者における遺伝学的検査の重要性が示唆された。
【方法】2014年から2023年の間に登録されたDCMの小児患者を対象とした。DCM関連遺伝子を同定し,遺伝子変異型とLVRRを含む臨床転帰との関連を検討した。
【結果】合計123例の小児DCM患者(男性62例、年齢中央値8ヵ月、追跡期間中央値25ヶ月)が登録された。45例(35.0%)に50の病原性変異が認められた。最も多く同定された遺伝子はMYH7(14.0%)、次いでRYR2(12.0%)、TPM1(8.0%)であった。成人DCMでは一般的であるLMNA、RBM20、PLNは、ごく少数であり、本研究の小児DCMとは対照的であった。47.5%の患者でLVRRが見られた。サルコメア遺伝子変異を有する患者では、左室駆出率は追跡期間中変化しなかったが(31.4%→39.8%、P = 0.1913)、非サルコメア遺伝子変異を有する患者では有意に増加し(33.4%→47.8%、P = 0.0466)、遺伝子変異を有しない患者では有意に増加した(33.6%→54.1%、P = 0.003)。18例(14.6%)が心臓死により死亡した。血漿中BNP高値(P = 0.008)と低年齢(P = 0.044)は死亡に対する独立した危険因子であった。
【考察】LVRRはバリアント陽性患者よりもバリアント陰性患者でより頻繁に発生し、サルコメア遺伝子のバリアントとLVRRの間には強い逆相関が認められ、既報の成人のDCMの論文の結果を支持するものであった。
【結論】小児のDCM患者は、成人のDCM患者とは異なる景観を示す顕著な遺伝的不均一性を示した。LVRRは機能的遺伝子群間で一様ではなく、小児DCM患者における遺伝学的検査の重要性が示唆された。