[II-OR13-02] Left ventricular assist device treatment for combined pulmonary hypertension derived from pediatric cardiomyopathy with restrictive physiology
Keywords:左室拡張障害, 肺高血圧, combined PH
【背景】拘束型心筋症(RCM)等の左室拡張障害が強い心筋症では、NICE分類2群の肺高血圧(PH)を呈するが、肺血管リモデリングの進行とともに肺血管抵抗係数(PVRI)も上昇し、pre-およびpost-capillaryの合併したcombined PHを来しうる。このような症例に対しての肺血管拡張薬の使用は、肺うっ血を助長し得るため注意が必要である。PVRIが9 WU・m2を超えれば、心移植の適応を外れ心肺同時移植が必要となり、その成績はよくない。当院では、重症心不全となったRCMや左室拘束型障害を伴う拡張型心筋症(rDCM)の中でcombined PHが進行する症例において、左室補助人工心臓(LVAD)を導入し肺血管拡張薬を用いる治療戦略をとっている。
【目的】combined PHに対する当院の治療戦略の有効性について検討する。
【方法】2014年1月から2024年2月に当院でRCMもしくはrDCMに対しLVADを装着した症例を対象とし、患者臨床背景、装着前後から移植後の心臓カテーテル検査データ、肺血管拡張薬の使用について後方視的に検討した。
【結果】対象は11例で、RCM 6名、rDCM 5例であった。LVAD装着年齢中央値は11歳(IQR 8.5-13.5)、LVAD装着前の平均肺動脈圧41±13.3 mmHg、肺動脈楔入圧21.7±7.4 mmHg、PVRI 7.0±5.0 WU・m2であった。LVAD装着後、全例で肺血管拡張薬が導入されており、平均肺動脈圧21±5.3mmHg、肺動脈楔入圧12.6±4.9mmHg、PVRI 2.2±0.7 WU・m2まで改善が得られていた。LVAD装着後にPH再発した症例は無く、心移植に至った9例では全例で移植後に肺血管拡張薬は中止され、PHの再発を認めなかった。
【考察】RCMやrDCMの中でPVRI上昇を認めた症例において、LVADを装着しpost-capillary PHの要因を除外した上で血管拡張薬を使用することで、pre-capillary PHを改善させることができた。
【結論】左室拡張障害に伴いcombined PHが進行した心筋症症例に対して、LVAD装着と肺血管拡張薬を用いた治療戦略は有効と考える。
【目的】combined PHに対する当院の治療戦略の有効性について検討する。
【方法】2014年1月から2024年2月に当院でRCMもしくはrDCMに対しLVADを装着した症例を対象とし、患者臨床背景、装着前後から移植後の心臓カテーテル検査データ、肺血管拡張薬の使用について後方視的に検討した。
【結果】対象は11例で、RCM 6名、rDCM 5例であった。LVAD装着年齢中央値は11歳(IQR 8.5-13.5)、LVAD装着前の平均肺動脈圧41±13.3 mmHg、肺動脈楔入圧21.7±7.4 mmHg、PVRI 7.0±5.0 WU・m2であった。LVAD装着後、全例で肺血管拡張薬が導入されており、平均肺動脈圧21±5.3mmHg、肺動脈楔入圧12.6±4.9mmHg、PVRI 2.2±0.7 WU・m2まで改善が得られていた。LVAD装着後にPH再発した症例は無く、心移植に至った9例では全例で移植後に肺血管拡張薬は中止され、PHの再発を認めなかった。
【考察】RCMやrDCMの中でPVRI上昇を認めた症例において、LVADを装着しpost-capillary PHの要因を除外した上で血管拡張薬を使用することで、pre-capillary PHを改善させることができた。
【結論】左室拡張障害に伴いcombined PHが進行した心筋症症例に対して、LVAD装着と肺血管拡張薬を用いた治療戦略は有効と考える。