The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Oral Session

心不全・心移植

Oral Session (II-OR14)

Fri. Jul 12, 2024 9:10 AM - 10:10 AM ROOM 6 (4F 401-403)

座長:篠原 徳子
座長:馬場 健児(岡山大学病院 IVRセンター)

[II-OR14-04] Association between Postpericardiotomy Syndrome and Early Postoperative Endocrine Dynamics.

高橋 卓也, 工藤 諒, 清野 精康, 齋藤 寛治, 佐藤 啓, 滝沢 友里恵, 桑田 聖子, 中野 智, 小泉 淳一, 齋木 宏文 (岩手医科大学 医学部 小児科学講座)

Keywords:心膜切開後症候群, PPCS, 副腎皮質ホルモン

【背景】心膜切開後症候群(PPCS)は在院期間に影響を与える術後合併症であるが、発症メカニズムは不明である。治療に副腎皮質ホルモンが奏功することに着目し、術後早期の内分泌動態がPPCSの発症に関わるという仮説を検証した。【方法】心臓手術後に集中治療室で24時間畜尿を行い、尿中コルチゾルおよびアルドステロンの1日産生量を評価し得た97例のうち21trisomyを除外した82例を対象とした。水分バランス、血清浸透圧、血行動態指標等とPPCS発症の関連を解析した。【結果】PPCSを発症し治療を要した症例(PE群)は13例(16%)であった。発症までの平均日数は術後8日であった。非発症例(非PE群)と比較し、PE群で手術時月齢、体表面積が大きかった(p<0.01)。両群間で人工心肺時間、大動脈遮断時間、術中輸血の有無や術後中心静脈圧に差はなかった。また、術中の水分出納も両群間で差はなかった。PE群の術後水分出納は非PE群と比較して術後3日まで差はなかったが、術後1日のドレーン排液量はPE群で少なく(p=0.01)、実測GFRはPE群で有意に高かった(p<0.01)。血清浸透圧に差はなかった。術後の内分泌動態については、術後3日までのコルチゾル・アルドステロン値に両群で差はなかった。一方で術後1日から3日までのコルチゾルとアルドステロンの減少率はPE群で有意に高かった(p=0.04)。さらに血清Na値は術後3日までPE群で低値であり術後早期の副腎不全の可能性が示唆された。また、術前BNP値はPE群で低値を示した(p<0.01)。さらに追加検討を行った連続37例(PE群 5例)では術後1日のBNP値もPE群で低値を示した(p<0.01)。術後1日のAVP値は両群で差はなかった【結論】PPCS症例で減少していた周術期副腎皮質ホルモンとBNPは共に抗炎症作用を示すことから、良好な循環と腎機能のために早期に抗炎症物質が減少することがPPCSの病態に寄与する可能性がある。