The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Oral Session

成人先天性心疾患

Oral Session (II-OR17)

Fri. Jul 12, 2024 4:40 PM - 5:40 PM ROOM 6 (4F 401-403)

座長:片岡 功一(広島市立広島市民病院 小児科)
座長:島田 衣里子(東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)

[II-OR17-01] Pulmonary arterial hypertension related maternal death in Japan

桂木 真司 (宮崎大学医学部附属病院)

Keywords:妊娠, 死亡, 肺高血圧

【目的】本邦での肺高血圧症による妊産婦死亡の肺高血圧症のリスク因子や、今後の医療課題を検討する。【方法】2010年から2022年における本邦の妊産婦死亡症例検討員会で検討された妊産婦死亡540事例より肺高血圧症が主原因で死亡した例を抽出し肺高血圧症の病型、臨床特徴、リスク因子、医療課題を検討した。【結果】肺高血圧症による死亡は7例で発症は妊娠16週2例、妊娠28週2例、妊娠32、36、40週が各1例であった。診断は2例は右心カテーテル検査、5例は経胸壁心エコー図検査によった。肺高血圧症の診断から死亡までが2-7週(平均3週)で、病型は6例で特発性肺高血圧症、SLE-肺高血圧症1例で、治療は6例において肺血管拡張薬が2-4剤使用された。妊娠高血圧症で帝王切開後に診断された例が2例、帝王切開直後に心肺停止した例が2例、経過中に血小板が減少した症例が5例、呼吸不全の出現する数週間前から息切れ、を認めた例が3例あった。【考察】7例いずれも妊娠前より肺高血圧症を持ち、妊娠中に症状を呈したと考えられる。息切れ、低SpO2からの肺高血圧症の想起は重要である。発症後の進行は急速で救命は全例で困難であったと考えられる。妊娠高血圧症は増悪因子で、血小板低下により鑑別診断に苦慮する点が妊娠中の肺高血圧症の特徴と考えられる。