[II-P01-1-01] A case of low birth weight HLHS in which a hybrid interatrial stent was placed for IVC occlusion
Keywords:心房間ステント, 左心低形成症候群, BAS
【背景】左心低形成症候群(HLHS)の狭小化した心房間交通に対して, バルーン心房中隔裂開術(BAS)や心房中隔欠損作成術(ASD creation)が行われてきたが, 近年, 心房間ステント留置術が注目されつつある. 【症例】胎児診断症例. 在胎37週, 1892gで出生し, HLHS(AS/MS)と診断した. 高肺血流の進行が早く, 日齢1に両側肺動脈絞扼術を行ったが血行動態不安定で, 日齢7に脳室内出血を生じ, 出血後水頭症に対して日齢13にオンマイヤリザーバーを留置した. 以降, 人工心肺下の手術を回避せざるを得ない状況となった. 日齢71に開胸下でPDAステントを留置した. その後, 心房間の狭小化が進行し(meanPG 12 mmHg), BASを計画した. IVCが閉塞しており, 内頸静脈からのStatic BASを試みたが, 心房間交通は通常の二次孔欠損とは異なった位置にあり, 左房内に留置したワイヤーにバルーンカテーテルが追従できず, カテーテル治療を断念した. 人工心肺を用いたASD creationは頭蓋内再出血のリスクがあるため, 開胸下での心房間ステント留置を行う方針とした(日齢86). 開胸後, 経心膜エコー下で穿刺位置と角度を決定し, 6Frシースを右房に数ミリ挿入し, 心エコー図と透視画像を参考に, 心房間にExpress Vascular SD 6 mm*14 mmを留置した. 閉胸に伴いステントと心房中隔のgeometryの変化が生じ, 術後心房間の平均圧較差は3-6 mmHgで推移している.【考察】心房間ステント留置術は, ASD creationに確実性は劣るものの, より低侵襲・低リスクでありながら心房間の良好な開存が比較的長く得られるとされる. 本症例のようにIVCが閉塞しておりBASが難しく, かつリスクの点から人工心肺を避けたい患者には良い適応であるが, 体格の小さな児や, 複雑な解剖の症例に対しては技術的な困難も伴う. 【結論】 HLHS症例に対する心房間ステント留置の適応や具体的な方法は, 症例の特徴を踏まえたうえで, よく検討されるべきである.