The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

カテーテル治療

Poster Session(II-P01-1)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:40 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:小柳 喬幸(慶應義塾大学医学部小児科)

[II-P01-1-02] 2 case reports of transcatheter vascular embolization by coil in plug method

伊藤 諒一, 今西 梨菜, 太田 隆徳, 野村 羊示, 郷 清貴, 田中 優, 大島 康徳, 鬼頭 真知子, 今井 祐喜, 河井 悟, 安田 和志 (あいち小児保健医療総合センター 循環器科)

Keywords:coil embolization, MAPCA, TCPC fenestration

【背景】Amplatzer vascular plug(AVP)内にコイルを充填するcoil in plug(CIP)法はAVP単独での塞栓術と比較し、より強力かつ内部の血栓形成に頼らない塞栓効果が期待できる。小児における同手技の報告はまだ多くない。
【症例1】生後1歳3ヶ月時にRastelli手術を施行したPA/VSDの12歳男児。PDAとのdual supplyと考えられたMAPCAにligationを施行したが、10年後に再開通が確認された。ligation部の血管内径は3.0mmであったが前後はダンベル状に8mm大に拡大していた。AVP単独ではleak残存が、AVP留置後の追加コイル塞栓では大動脈内へのコイル脱落が懸念され、安全性と確実な塞栓効果を両立させるためCIP法を選択した。体外にてAVP1内に事前にmicro catheterとguide wireを通過させ、delivery wireと共にguiding catheter内へ挿入した。ligation部を挟み込むようにしてAVP1を展開した後、AVP1内にTarget XLを1本留置した。治療後の造影で残存leakは認められなかった。
【症例2】生後1歳4ヶ月でTCPCを施行したPA/IVS、RVDCCの10歳男児。TCPC術後急性期に右室前負荷減少による冠血流低下が原因と考えられる心機能悪化を来たし、術後2日目にfenestrationを作成した。Fontan循環安定後に複数回のfenestration閉鎖試験を行った上で塞栓術を決定した。より確実な血管塞栓と、右房やconduitへのデバイス脱落防止を目的にCIP法を選択した。症例1と同様の手技でfenestration内に展開したAVP1内へTarget XL 2本を留置した。治療後の造影で残存leakは認めず。SpO2は改善し心機能低下や心電図異常などの合併症は生じなかった。
【考察】CIP法は狭い範囲でも高い塞栓効果が期待できる。一方で事前の準備が必要な点やその際にAVPを破損させるリスク、治療後のデバイス回収は困難であるなどのデメリットも存在する。適応となる目標血管の形態や、従来法との使い分けの判断に関しては今後も検討を重ねる必要がある。