[II-P01-1-03] Lessons learned from 2 cases of catheter embolization for femoral arteriovenous fistula
Keywords:カテーテル治療, 大腿動静脈瘻, コイル
【はじめに】大腿動静脈瘻(femoral AVF)は手術を行う事が多いが、血管同定が困難な時があり、深部血管となればその傾向は強くなる。大腿動静脈瘻に対しカテーテル閉鎖を施行した2例を振り返り、治療の原則を改めて考える。【症例1】2歳男児、左心低形成症候群、Glenn術後。右深大腿動脈(DFA)と右大腿静脈(FV)にAVFを認めた。手術を施行したが、DFAの近位を結紮し、瘻孔は残存。内腸骨動脈前肢からAVFへ側副血管が発達し、血液が供給されAVFは残存した。そのため、AVF直近から側副血管をコイルで塞栓した。後日、連続性雑音を聴取。カテーテルの造影で右DFAの末梢から逆行性にAVFへ血液が流入していることを確認した。FV側からAVFを通そうとしたができずに断念。次のsessionで右DFAの遠位端からアプローチを試みるも、シースを挿入できず。右浅大腿動脈からの側副血管を介してDFAへ到達し、AVFを通過。AVFにかかるようにdetachable coilを留置し、近くのDFAもdetachable coilで閉鎖した。連続性雑音は消失し、再発は認めていない。【症例2】34歳女性、両房室弁左室流入、Fontan術後。右大腿動脈恥骨枝と右大腿静脈にAVFを認めた。供給動脈は恥骨枝からのみである事を、造影を繰り返し確認した。左大腿動脈からアプローチし、カテーテルはAVFを通過できたがシースは通過できずに閉鎖栓を用いることを断念した。Detachable coilをAVFを通して留置し、供給動脈である恥骨枝もdetachable coilで閉鎖した。その後再発は認めていない。【まとめ】手術でもカテーテル治療でもAVFを閉鎖するときの原則は、瘻孔そのものの閉鎖である。瘻孔が残存していると、供給動脈が複数ある場合は1本を塞栓しても別の供給動脈が発達しうる。そのため、瘻孔の直接閉鎖が困難な場合は供給動脈となりうる血管を全て同定し、それら全てを瘻孔付近で完全閉鎖することが必要となる。