[II-P01-1-04] The efficiencies and limitations of transcatheter ASD closure
Keywords:心房中隔欠損症, 経皮的心房中隔欠損閉鎖術, 遠隔成績
【背景】当院では、2006年8月より心房中隔欠損症に対するカテーテル治療を導入し、90%前後の心房中隔欠損ASD症例に経皮的ASD閉鎖術を行なっている。本邦では、例年経皮的ASD閉鎖術が行われているのは、全体50%前後に留まっているとされている。このような背景には、デバイス治療の長期成績や異物を留置することに対する懸念、各医療機関におけるデバイス治療の適応の相違、aortic rim以外のrimが5mm未満症例はデバイス治療適応外との認識などいくつか複合的要因が絡んでいると推測される。【目的】当院でのASD閉鎖術の現状の分析【対象と方法】2016年から2022年まで外科治療35例をA群、経皮的ASD閉鎖術実施272例をB群。年齢、体重、女性の比率、経食道心臓超音波検査TEE評価による欠損孔径は、それぞれ5.5±3.7、7.0±3.5 歳、19±10、22±10kg、60、63%、20±5.5、17±5.8mm。A群により体格の小さく、より大きい欠損孔症例が実施されていた(p<0.05)。A群に体重が13kg未満10例、広範囲の上方rim欠損例9例、下方rim欠損14例が含まれていた。閉鎖栓留置への懸念で手術を希望された例は8例であった。各年のB群の占める割合は、2016年、84%、2017年、86%で、2021年、96%、2022年、92%とカテーテル治療実施率の増加を認めた。posterior rim 5mm、2mm未満は31、10症例、IVC rim 5mm、2mm未満 31、15症例と上方rim以外のrimが乏しい症例が含まれていた。【考察と結論】Gore Cardioform ASD occluder GCAが導入されてから、広範囲の上方rim欠損症例に対する懸念が薄れたものの、明らかな治療適応の拡大にまでは至らず、依然カテーテル治療困難例を認める。ご家族のカテーテル治療に対する懸念やカテーテル治療の限界をよく理解しつつ、カテーテル治療を実施する必要がある。