[II-P01-1-06] Surgical indication for atrial septal defect (ASD) in the era of device closure
Keywords:心房中隔欠損症, カテーテル治療, 手術
【背景】2006年にASD閉鎖栓が保険適用になり、二次孔型ASD治療はカテーテル治療が広く行われるようになった。しかし、外科治療が選択された症例の検討は多くなく、具体的な患者像の特定が求められた。【対象と方法】昭和大学病院にて2018年3月1日より2023年12月31日までにASDの治療を企図して心臓カテーテルを行った15歳未満の患者65例と、当初より外科治療が予定され手術に至った8例を対象に後方視的検討を行った。【結果】初回心臓カテーテルでASD閉鎖栓を留置し、合併症なく退院した症例は58例(89%)(平均7.6歳、95%信頼区間5.5-9.6歳)だった。2例(4.1歳、6.2歳)は閉鎖栓留置後に持続する房室ブロックを認め翌日に閉鎖栓を回収、1例(0.8歳)は閉鎖栓が容易に脱落しその場で回収し、手術適応とした。5例は初回心臓カテーテル中の経食道心エコー所見よりカテーテル治療を行わないと判断したが、2例については体制を整えて後日ASD閉鎖栓留置を行い、合併症なく退院し得たため、観察期間中の閉鎖栓留置例は合計60例(92%)(平均7.6歳、95%信頼区間5.5-9.7歳)、平均体重は24.5kg(95%信頼区間17.5-31.5kg)となった。体重15kg未満の症例は4例で、最小体重は8.8kgだった。また治療後に閉鎖栓回収となった3例を含めた手術症例は12例(平均2.7歳、95%信頼区間1.3-4.1歳)で、平均体重は12.3kg(95%信頼区間8.0-16.5kg)だった。【考察】当院でのカテーテル治療の完遂率は92%と高い水準にあった。当初より外科治療が予定された症例の手術理由は体格の小ささが1例、巨大欠損、広範なRim欠損が3例、MR合併が1例、気道感染反復や心不全を認めた者が2例で、家族希望は1例のみだった。成長を待ってもデバイス治療は困難だった可能性が示唆された。