[II-P01-1-07] A new treatment strategy for multi-fenestrated atrial septal defects
Keywords:心房中隔欠損, 多孔性, カテーテル治療
【緒言】複数個の欠損孔をもつ多孔性心房中隔欠損(multi-fenestrated atrial septal defect; MFASD)に対する経皮的心房中隔欠損閉鎖術では、複数閉鎖栓の留置が必要になる可能性が高い。手技の煩雑さや最終留置形態が予想しにくく、デバイスの干渉によりAo rimへの圧排が増強すると、erosionのリスクの増大が危惧されるため、手技上の特別な配慮が必要である。複数閉鎖栓の留置を要する症例において、erosionのリスクを軽減をめざした治療戦略について述べる。【症例1】14歳女児。右左シャントを伴う下方の7mmの欠損孔と左上方に8mmの欠損孔を認めた。Ao rimは乏しかった。下方の欠損孔に対して、Cribriform 25mmを選択したが、後縁への圧排が強く、Cribriform 18mmを留置した。左上方の欠損孔は残存し、右左シャントを認め、半年後にGCA 27mmを留置した。先に留置したデバイスは安定しており、それを覆う形で良好な留置が可能であった。【症例2】12歳男児。前上左方の欠損孔は、13mm×8mmのやや縦長でBold Aoの欠損孔で、後右方に、7mmの欠損孔を認めた。後右方の欠損孔にFSO 7.5mmを留置、引き続いて前上左方にGCA 27mmを留置した。良好な留置形態が得られた。【考察および結語】複数個のデバイス留置が必要なASD治療において、治療セッションを複数回に分けることの有効性についてはすでに報告した。この場合、下方の欠損孔に先に留置するほうが、上方の欠損孔へのデバイス選択が容易になる。また、複数個のデバイス留置において、3種類のデバイスを組み合わせて留置することが重要で、特にBold Ao であるなど、Ao rimが乏しい欠損孔に対しては、GCAを用いることにより、erosionのリスクを軽減できる可能性がある。