[II-P01-1-09] Outcome of catheter and surgical interventions for atrial septal defect in the Kobe children's and Kakogawa central city hospitals
Keywords:心房中隔欠損症, カテーテル治療, 低侵襲
【背景】当グループは、1983年以降、心房中隔欠損症(ASD)治療に右側開胸アプローチを導入して美容面に加味した治療を行い、2007年にカテーテル治療、2013年に右小開胸、2014年より右小開胸躯幹筋温存法を導入し、低侵襲化を図ってきた。【目的】カテーテル治療が導入された2007年以降の手術成績を後方視的に検討する。【方法】2007年から2023年までの、治療対象となったASD 590例を対象とし、治療方法とその急性期・遠隔期の成績を比較した。【結果】カテーテル治療群(C群)284例に対し、手術群(S群)306例とカテーテル治療の占める割合は48.1%であったが、年次毎の変遷は、初期の33.3%から2023年は72.7%と増加している。しかし、2020年と2023年の約70%という年を除けば、概ね50%台の推移となっていた。治療介入年齢は中央値でC群10歳(5~37)、S群3歳(0~19)であった。C群でdevice留置を断念した症例は2例で、これらは外科手術に回っている。合併症はC群で脱落1例、erosionなし、完全房室ブロックなし、IE 2例であった。遺残短絡はmultiple ASDや下縁欠損例で5例に認められた。S群では遺残短絡、完全房室ブロックはなし、肋間神経ブロックカテーテル感染による膿胸が1例、縫合糸膿瘍が3例に認められた。【考察】当グループでは、カテーテル治療の対象を18kg以上としており、18kgに到達する前に欠損孔が15mm以上となれば手術を選択、また後下方rimが乏しい症例は手術を選択する方針をとっている。NCDのrisk calculatorでは、リスクのないASD手術は周術期死亡率0.2%未満、周術期合併症率は0.3%未満となっており、カテーテル治療の合併症発生率も同等であるべきことを鑑みれば、当グループの合併症の少なさはかなり良好な成績と考えられる。【結論】ASD手術のリスクが低いことから、カテーテル治療の適応は厳密に判断されるべきであり、その観点に立てば、カテーテル治療率は50~60%が妥当であろう。