[II-P01-2-04] Association of Noradrenaline after the Fontan operation
Keywords:フォンタン手術, ノルアドレナリン, 胸水
【背景】フォンタン手術術後の胸水遷延はICU滞在期間を延長させ、遠隔期死亡や再手術などの不良な転帰と関連している。術後胸水を減らすアプローチに早期抜管、利尿剤、術後管理のプロトコル化などがあるが、カテコラミンの選択については定まった見解はない。【目的】フォンタン手術術後のノルアドレナリン使用と術後胸水の関連を検討する。【方法】2016年4月から2023年12月に兵庫県立こども病院で施行されたフォンタン手術症例について電子カルテを用いて後方視的に調査した。ノルアドレナリン使用群(NAd+群)とノルアドレナリン不使用群(NAd-群)で患者背景(性別、年齢、体重、右心系単心室の割合、術前のCVP、Rp、EF、主心室のEDP、SaO2)、手術情報(conduitのサイズ、fenestrationの有無、人工心肺時間)、術後経過(胸腔ドレーン量、胸腔ドレーン留置期間、extra volume投与量、人工呼吸期間、乳糜胸治療の割合、再ドレナージの割合、PICU滞在日数、入院期間)を比較検討した。【結果】対象は58例でNAd+群は12例、NAd-群は46例であった。NAd+群で年齢中央値は36ヶ月(IQR 31.8-43.3)、NAd-群で26.5ヶ月(IQR,24.0-36.0)と有意差を認めた(p=0.005)が、その他の患者背景には有意差を認めなかった。手術情報は両群で有意差を認めなかった。術後経過はドレーン留置期間がNAd+群で中央値7日(IQR,6-7)、NAd-群で中央値8日(IQR,7-10)と有意差を認めた(p=0.038)。再ドレナージの割合はNAd+群で0例、NAd-群で4例(8.7%)、乳糜胸治療の割合はNAd+群で0例、NAd-群で8例(17.4%)であったが、有意差は認めなかった。その他の術後経過は有意差を認めなかった。【結語】フォンタン手術術後のノルアドレナリン使用は胸腔ドレーン留置期間の短縮と関連があった。