[II-P01-2-05] 小児心臓外科手術の周術期における心停止とチーム医療体制の構築
キーワード:心停止, 集中治療, チーム医療体制
【背景】小児心臓外科手術において、手術技術と術後管理が改善されているにも関わらず、依然として周術期合併症は存在する。特に心停止は、生存率はもちろん神経学的転帰に影響を及ぼす合併症である。心臓外科術後の心停止の発生率は2~6%、その死亡率は40~50%と高く、神経学的転帰は25%が予後不良(Pediatric Cerebral Performance Category:PCPC>3)との報告もある。当院PICUでは2015年のclosed ICU導入に伴い、心停止のリスク評価、CPR品質、迅速なECMO導入システム、神経集中治療としての蘇生後脳症管理に関して、集中治療科だけでなく、循環器科・心臓血管外科・神経内科・脳神経外科でのチーム医療体制を構築してきた
【目的】小児心臓外科術後に周術期合併症である心停止症例について記述する
【方法】2016年から8年間の該当症例の患者特性、蘇生、転帰を後方視的に検討した
【結果】小児心臓外科手術数は全1618例で、心停止症例は23例(1.4%)、男児16例、女児7例、月齢2ヶ月(0-149)、体重3.3kg(1.8-36)、PIM3 2.4(0.9-12.8)、単心室16例、RACHS-1 Category1:1例、2:4例、3:14例、4:1例、6:3例であった。蘇生に関してはCPR単独10例、ECPR14例、CPR time6分(1-79)、CPR適応は低心拍出症候群7例、不整脈6例、低酸素6例、その他4例であった。治療転帰に関してはICU生存は19例(83%)、生存退院は17例(2例は入院加療中)であった。神経学的転帰に関しては救命困難であった症例を除く19例のうち、予後不良であるPCPC>3は2例(11%)であった。全症例でTTM(Targeted Temperature Management)および持続脳波を施行し、脳萎縮3例、虚血性脳症1例、脳ヘルニア1例、明らかな脳出血・梗塞は0例であった
【考察・結語】当院では診療科の垣根を超えた、専門性を持ち寄った多角的なチーム医療体制を構築することで、比較的良好な患者転帰をもたらした可能性がある。本学会では文献的考察も含め発表する
【目的】小児心臓外科術後に周術期合併症である心停止症例について記述する
【方法】2016年から8年間の該当症例の患者特性、蘇生、転帰を後方視的に検討した
【結果】小児心臓外科手術数は全1618例で、心停止症例は23例(1.4%)、男児16例、女児7例、月齢2ヶ月(0-149)、体重3.3kg(1.8-36)、PIM3 2.4(0.9-12.8)、単心室16例、RACHS-1 Category1:1例、2:4例、3:14例、4:1例、6:3例であった。蘇生に関してはCPR単独10例、ECPR14例、CPR time6分(1-79)、CPR適応は低心拍出症候群7例、不整脈6例、低酸素6例、その他4例であった。治療転帰に関してはICU生存は19例(83%)、生存退院は17例(2例は入院加療中)であった。神経学的転帰に関しては救命困難であった症例を除く19例のうち、予後不良であるPCPC>3は2例(11%)であった。全症例でTTM(Targeted Temperature Management)および持続脳波を施行し、脳萎縮3例、虚血性脳症1例、脳ヘルニア1例、明らかな脳出血・梗塞は0例であった
【考察・結語】当院では診療科の垣根を超えた、専門性を持ち寄った多角的なチーム医療体制を構築することで、比較的良好な患者転帰をもたらした可能性がある。本学会では文献的考察も含め発表する