[II-P01-3-05] A case of warfarin allergy that was difficult to differentiate from relapse of Kawasaki disease
Keywords:川崎病, ワルファリン, 薬剤アレルギー
【背景】薬剤アレルギーは発疹や結膜充血、口唇発赤、発熱などを呈することもあり、川崎病と一部症状が共通するため、時に鑑別に難渋する。川崎病の経過中に薬剤アレルギーが判明することは多くはなく、中でもワルファリンのアレルギーについては報告が少ない。【症例】1歳男児。発熱と体幹の発疹を認め、第5病日に当院を受診した。咽頭発赤、手足の硬性浮腫、頚部リンパ節腫脹も認めており、川崎病と診断し、免疫グロブリン療法(以下IVIG)とフルルビプロフェンでの治療を開始した。投与後も発熱が持続し、2nd lineとしてIVIGとプレドニゾロン静注を、3rd lineとしてステロイドパルス療法を行い、解熱が得られた。経過中、左前下行枝が最大で5.4mm(Zスコア7.2)まで拡張したため、第13病日よりジピリダモールを、第16病日よりヘパリンの持続投与をしたうえでワルファリンの投与を開始した。第18病日に再度発熱と皮疹を認め、川崎病の再燃が否定できずIVIGの再投与を行った。以降も37℃台の微熱が続いたが、その他の症状はなく、明らかに再燃を疑う所見はないことから、第39病日に退院とした。しかし退院後も間欠熱が続き、精査のため第52病日に再度入院とした。入院時の血液検査にて好酸球増多を伴っていたため薬剤熱を鑑別に挙げ、被疑薬を全て中止し薬剤誘発性リンパ球刺激試験を行ったところ、ワルファリンが陽性となり、ジピリダモールは陰性ではあるものの正常上限の値であった。その時点でZスコア3.6と冠動脈瘤は縮小傾向であり、ヘパリン持続投与は中止し、ジピリダモールをチクロピジンに変更して継続とした。発症後4ヶ月で心臓カテーテル検査を行い、Zスコア3.5と冠動脈瘤の大きさは著変なく、狭窄なども認められなかった。【考察】川崎病治療後に発熱を認めた場合にはまずは再燃を疑うが、皮疹などを伴う場合や本症例のように発熱が遷延する場合には薬剤熱も鑑別に挙げる必要がある。