[II-P01-3-06] Immunoglobulin plus short-term prednisolone for primary treatment of severe Kawasaki disease
Keywords:川崎病, プレドニゾロン, 免疫グロブリン不応
【背景】当院では免疫グロブリン療法(IVIG)不応予測によらず、川崎病(KD)の初回治療をIVIGとアスピリンで行っていたが、小児多系統炎症性症候群やSARS-COV-2感染後KDの追加治療、初回治療での短期PSL併用IVIG(sP-IVIG)を経て、5類移行に伴うSARS-COV-2感染歴の把握や免疫グロブリン製剤(IG)入手の制限を勘案し、2023年3月に小林スコア(K)≧5点のKD初回治療もsP-IVIGに転換した。IVIGはIG濃度によらず24時間で投与、プレドニゾロン(PSL)は0.67mg/kgをIVIG開始直前から終了直後まで8時間毎に4回投与している。【目的】K≧5点のKDに対するsP-IVIGの治療成績を明らかにすること。【方法】2023年3月20日から2024年2月10日までに当院に入院し、sP-IVIGを行ったK≧5点のKDの経過を診療録を用いて調査した。体温37.5-37.9℃が一時的な場合は発熱に含めず。【結果】sP-IVIGは24例に行われ、追加治療は7例(29%)あった。発熱持続が2例、再発熱での追加治療が5例で、3rd line以降は2例あった。冠動脈瘤は退院時に2例(Zスコア2.6と2.5)あったが、発症1か月では認めず。K≧8点の11例中、追加治療前に解熱した再発熱の1例を含め5例(45%)の追加治療、他にも早期に自然解熱し追加治療に至らなかった2例の再発熱があった。K5-7点では13例中2例(15%)に追加治療が行われ、他に再発熱例もなかった。K5-7点はK≧8点より再発熱を含む治療後の発熱が少なく(p=0.03)、K≧8点での再発熱を含む発熱予測は感度78%、特異度73%であった。【考察】sP-IVIGの追加治療はPSL併用の13-18%より多いが、PSL長期投与を回避でき、IVIG単独と同じ基準で追加治療も行える。再発熱時の追加治療の必要性評価を洗練させることも課題である。シクロスポリン併用の44%、IVIG単独の40-45%より追加治療が少ないのかは、今回の小数例では評価できず今後の研究に委ねられる。【結論】K≧5点のKDでのsP-IVIGの有用性が期待され、特にK5-7点では再発熱も少ない可能性がある。