[II-P01-4-01] Hemolytic Anemia Due to Right Ventricular Outflow Tract Stenosis After Konno Procedure
Keywords:術後合併症, 溶血性貧血, 右室流出路狭窄
【背景】心疾患術後の溶血性貧血は、左心系機械弁の合併症として知られているが、右室流出路狭窄を原因とする報告は少ない。【症例】症例はNoonan症候群の7歳男児。大動脈弁/弁下狭窄に対して5歳時にKonno手術(Regent 17mm)を受け、右室流出路前後面はGelweave patchで再建された。術後右室流出路狭窄が進行し、経胸壁心エコーでの推定圧較差は、2年間で25mmHgから70mmHgに上昇した。また、同時期より貧血が進行し、LDH上昇、間接ビリルビン優位のビリルビン上昇、ハプトグロビン低下、直接クームス試験陰性などから溶血性貧血と診断された。原因として、右室流出路狭窄および大動脈弁機械弁での溶血が疑われたが、経食道心エコーでは、大動脈弁機械弁の開放は良好で、弁狭窄や弁周囲逆流、弁周囲の異常組織増生などは認めなかった。右室流出路狭窄による溶血が強く疑われ、右室流出路再建術を施行。術中所見では、右室流出路は異常発達した筋束および結合組織による高度狭窄を認め、これらの切除および右室流出路前面のGoreTex graftを用いたパッチ拡大術が施行された。術後は狭窄が解除され、溶血も改善。術後半年時点で溶血再燃なく経過している。【考察】右心系狭窄病変による溶血は、過去には人工導管の高度狭窄例で報告がある。本症例は導管ではないが、狭窄部は前後面をGelweaveで補填されており、人工物が溶血の一因となった可能性がある。【結論】右心系においても人工物による狭窄病変では溶血を考慮する必要がある。左心系機械弁合併例では、病変の主座を慎重に見極める必要がある。