[II-P01-4-03] Pitfall of the primary sutureless technique in total anomalous pulmonary venous connection repair in mid-term prognosis
Keywords:TAPVC, sutreless technique, PVO
【背景】TAPVCの修復法として、sutureless technique(ST)は1990年代に初めて術後の肺静脈狭窄(PVO)に対する再手術として施行された。その後、TAPVCの術後PVOの予防として primary sutureless technique(pST)の適応が拡大され、最近では、pSTがconventional repairと比較して予後良好との報告も散見される様になった。【目的】pST repairでの中期予後の問題点を検討すること【症例】4歳9ヶ月男児。在胎38週5日、出生体重3002g、反復帝王切開で出生。アプガースコア1分8点/5分7点。呼吸障害があり気管挿管。当初、PPHNと診断。日齢5抜管。日齢8に再度呼吸状態が悪化し、心エコーにてTAPVC(III)と診断され、治療目的で転院。SpO2=80%。垂直静脈が門脈に接続する手前でPVOを認め、左房が小さく、common chamberとの十分な吻合径の確保が困難と判断されpSTで修復。術後経過良好で、術後16日退院。その後の経過で、術後3年8ヶ月頃より左肺鬱血像が出現。造影CT上、下行大動脈(Ao)と左房(LA)に挟まれた左PVの閉塞所見と、肺血流シンチ上、右肺のみの集積所見を認めた。以上から左PVOと診断【考察】術後3年以上経過した中期予後にPVOが発生した背景には、成長に伴う胸郭変形と心臓の時計回転があり、左肺静脈がLAとAoに挟まれてスペースを失い、血栓形成から閉塞したと考えられる。加えて、自己心膜でPVとLAを覆うSTでは吻合部の支持組織はPVとLAを直接吻合するconventional repairと比較して、外部からの圧迫に対する支持力が弱い可能性も考えられる。【結語】STでは吻合部の支持力が弱い可能性があり、PVOのリスクになるかもしれない。