[II-P01-4-05] Relationship between mid-term hemodynamics and the late development of Fontan-associated liver disease in patients after Fontan operation
Keywords:FALD, Fontan循環, 単心室
【背景】Fontan関連肝臓病(FALD)は高中心静脈圧を背景としたうっ血性肝障害と考えられ、Fontan術到達後よりその病期は始まる。術後経過年数がFALD進行に関与するものの、どのような血行動態がその病状に関連するのかは知られていない。本研究はFontan術後中期の血行動態が遠隔期FALD進行とどう関連するのかを明らかにすることを目的とする。
【方法】Fontan術後中期の心臓カテーテル検査/心肺運動負荷試験(CPX)の血行動態指標として心係数、中心静脈圧(CVP)、最大酸素消費量、最大酸素脈を抽出した。また遠隔期FALD評価として、MRIによる心係数、門脈血流量、プリモビスト造影前後での肝実質の信号強度変化率(SI相対指数)、結節/腫瘍性病変の有無、IV型コラーゲン値、Fib-4 indexを比較した。
【結果】対象26例(男17例)において、Fontan施行3.7(3.0-5.1)歳、心カテ/CPX実施10.7(9.3-19.8)歳、MRI実施17.5(12.7-27.5)歳であった。中期血行動態は、心係数4.02(3.63-4.80) L/分/m2、CVP10(9-14)mmHg、最大酸素摂取量29(21-31)mL/分/kg、最大酸素脈0.19(0.16-0.23)L/m2であった。MRIは、心係数2.42(2.03-2.83)L/分/m2、門脈血流量0.31(0.26-0.46) L/分/m2、またIV型コラーゲン199(158-235)IU/mL、Fib-4 index 1.64(1.01-2.21)であり、結節/腫瘍性病変合併10例だった。SI相対指数 0.70(0.54-0.77)(低値であれば肝線維化を示唆)は、術後中期CVP(r=-0.45)および術後遠隔期IV型コラーゲン値(r=-0.49)と関連していた。結節/腫瘍性病変合併例は術後中期血行動態とは関連せず、術後遠隔期の門脈/下行大動脈血流比率が有意に低値であった(15[12-20]vs.21[19-25]%、P=0.02)。
【考察】Fontan術後中期の中心静脈圧上昇が遠隔期FALDの肝線維化の程度に関連し、門脈血流量の相対的な低下が結節/腫瘍性病変発症に関連していると考えられた。
【方法】Fontan術後中期の心臓カテーテル検査/心肺運動負荷試験(CPX)の血行動態指標として心係数、中心静脈圧(CVP)、最大酸素消費量、最大酸素脈を抽出した。また遠隔期FALD評価として、MRIによる心係数、門脈血流量、プリモビスト造影前後での肝実質の信号強度変化率(SI相対指数)、結節/腫瘍性病変の有無、IV型コラーゲン値、Fib-4 indexを比較した。
【結果】対象26例(男17例)において、Fontan施行3.7(3.0-5.1)歳、心カテ/CPX実施10.7(9.3-19.8)歳、MRI実施17.5(12.7-27.5)歳であった。中期血行動態は、心係数4.02(3.63-4.80) L/分/m2、CVP10(9-14)mmHg、最大酸素摂取量29(21-31)mL/分/kg、最大酸素脈0.19(0.16-0.23)L/m2であった。MRIは、心係数2.42(2.03-2.83)L/分/m2、門脈血流量0.31(0.26-0.46) L/分/m2、またIV型コラーゲン199(158-235)IU/mL、Fib-4 index 1.64(1.01-2.21)であり、結節/腫瘍性病変合併10例だった。SI相対指数 0.70(0.54-0.77)(低値であれば肝線維化を示唆)は、術後中期CVP(r=-0.45)および術後遠隔期IV型コラーゲン値(r=-0.49)と関連していた。結節/腫瘍性病変合併例は術後中期血行動態とは関連せず、術後遠隔期の門脈/下行大動脈血流比率が有意に低値であった(15[12-20]vs.21[19-25]%、P=0.02)。
【考察】Fontan術後中期の中心静脈圧上昇が遠隔期FALDの肝線維化の程度に関連し、門脈血流量の相対的な低下が結節/腫瘍性病変発症に関連していると考えられた。